社長秘書の莉子が出張から戻ると、家が燃えていた──。なりゆきでイケメン社長の高梨の家に居候することになったけど、彼はひたすら莉子を甘やかしてくる。「こうされるの、好きだろ?」耳元で囁かれる淫らな言葉と甘やかな愛撫に蕩ける莉子。ワケあって結婚や恋愛を避けてきたのに、高梨に惹かれる気持ちは止められなくて……!?
「ドキドキしているな」
「──でしょう? 峻也さんだけじゃないんですよ」
今、ここにいるのは二人だけ。相手を欲しいと思って何が悪い。
峻也の手が背中に回され、背中のホックが片手で簡単に外された。
そのまま剥き出しになった脇腹を、円を描くように擦られる。そこから広がっていくじんじんした感覚に、思わず上半身を捩った。
「こういう時、俺が遠慮しないっていうのは知ってるだろ」
返事を声に出すことはできず、ただうなずく。上半身に着ていたものが、勢いよく捲られて、峻也の目の前に乳房が露出した。
「こうして見ると、すごいエロいな」
「こ、言葉にするのはやめませんか……?」
「ほら、莉子は明るいところでするのは嫌がるし」
どうしてこの状況で、そういう言葉を口にするのだろう。なんだか今日の彼は、少しばかり意地が悪い。
ずらされたトップスを引っ張って戻そうとしたら、下から乳房を掬い上げるようにして揉みしだかれた。
片方の手で腰を支えられ、もう片方の手でこね回される。大きな手のひらが、じくじくとし始めている先端を押しつぶすようにする度に、甘ったるい感覚が腰のあたりまで落ちてくる。
「──あっ、あぁっ!」
ほら、と小さく囁かれたような気がした。快感を与えられる度に、指先に強く力がこもった。
「余計なことは、考えられないようにしてやるけどな」
「だ、だから……、そ、そういう……んぁっ!」
今まで触れられていなかった方の頂に指が忍び寄る。人さし指で先端をひっかくようにされ、硬度を増したところで、ぐっと押し込まれた。
びくんと肩を跳ね上げれば、崩れかかった身体を引き戻される。
「も、もう、やめ……」
「やめない。誘ったのは、莉子だろ?」
だからって、何もこんな風にしなくても。じわりと目が潤むのがわかるから、余計に強くそう思う。
抗議しようとしたけれど、その言葉はすぐに嬌声に変わる。空いている方の乳房に、今度は唇で触れられたから。
先ほどから愛撫ですっかり硬くなっている先端には見向きもせず、ただ、色が変わるぎりぎりあたりに唇が落とされる。
縁をなぞるように舌の先でくすぐられたら、その先の快感を予想して身体が震えた。
「ん、も、あ、あぁぁっ……!」
上半身を捩って逃げようとしたら、じらされた快感に弱い場所を、下から上へと弾くように舐められた。指とは違う濡れて温かく柔らかな刺激。
限界まで張り詰めているその場所から、どんどん流れ込んでくる淫らな欲望が、下腹部まで支配し始めていた。
「ほら、こんなになって」
強引に、脚と脚の間に割り込んでくる彼の手。彼の膝の上をまたぐようにしているから、手を阻むことはできなかった。
ためらうことなく差し込まれた手が、秘めておくべき場所に触れる。下着越しにその場所を撫でられただけで、くちゅりという卑猥な音がするような気がした。
「わかる? ぬるぬるになってるだろ」
莉子の弱い場所を知り尽くしている指が、下着越しにその場所を往復する。身体の芯に響くような強い快感。
ただ、喘ぐことしかできなくなって、従順にその快感の中に自分から身を投じる。
「んん、あっ……あっ、あぁっ!」
指の動きが激しさを増すにつれ、ぬちぬちという音が確実に莉子の耳にも届いてくる。
「膝を上げて。そうしないと脱がせられないから」
そんなことを言われても、もう逆らうこともできなかった。片方の脚からショーツが抜かれ、もう片方は脚に引っかかったまま。
自分自身でもいやらしいと思うけれど、ここにいるのは二人だけだ。
「ん、あっ……やだ、も、う……」
「もうって何?」
莉子の耳にかき上げた髪をかけながら、そんな意地悪な問いを投げかけられる。どうして欲しいのかななんて、彼は完全に知り尽くしているはずなのに。
「……って」
「聞こえない」
やはり、今日の彼は意地悪な気分らしい。いつもとは違うリビングのソファというのもあるのだろう。
身体を押しつけるようにするけれど、そんなことではごまかされてくれそうもなかった。
「……触って、もっと。指……入れ……て……」
こんな恥ずかしいこと、自分から口にしたことなんてない。かっと頭が焼けるような気がして、それと同時に泣きたいような気分に陥った。
「わかった──ほら。ああ、一度に二本行けそう」
すっかりびしょびしょの花弁を割り開き、ぬるりと二本の指が一度に押し込まれる。すっかり彼に馴染んだ身体は、少々強引な挿入もたやすく受け入れた。
「あぁぁっ……あっ──あ、あぁぁっ!」
中に差し込まれた指は、遠慮なんてしなかった。わざと音を立てるように、激しく中をかき回される。
膝立ちになったまま、莉子はその快感に耐えるだけ。なのに、絶頂まではまだ足りない。
喘ぎ、首を振り、もっと深い快感を願うけれど、慣れない体勢だからかなかなか解放するのは難しかった。
「んんー、ん、んぁっ」
「俺に掴まって。もっと強く──そう、首に抱き着けばいい」
言われるままに上半身を崩す。峻也の身体にもたれるようにして、はぁはぁと喘いだ。思考は完全に快感に支配されていて、どうしてこうなっているのかも考えることができない。
「このままイけそうか?」
「ん、わか、わから……ない──あぁっ!」
ぐるりと回すように動かされた指の律動が、激しさを増した。それと同時に、淫らな水音も卑猥さを増していく。
指の動きに合わせて、自然と身体がくねっていた。淫芽を、彼の指の根元に擦りつけるように。そうすると、内側からの快感に、もう一つの快感が加わる。
「……だめ、イッちゃう──!」
愉悦にひたりきっていることを隠しきれない高い声が、部屋の空気を震わせる。耳元で誘惑する甘い声が、いっそうの快感を煽った。
「イッてしまえ、このまま。ほら、こうされるの、好きだろ?」
ぐりっと中をえぐるように指を回されて、腰が歓喜に跳ね上がる。とたん、背筋を走り抜ける鋭い性感に、全身が激しく震えた。
「……ごめんなさい」
くたりと身体を預けて、最初に出てきたのは詫びる言葉。自分ばかり快感を貪ってしまった。
まだ、身体の芯を痺れさせている甘やかな悦び。髪を撫でられただけで、新しい快感の予感に、身体の奥がぞくぞくし始めるのはどうかしている。
「謝る必要はない。俺が莉子をたくさん感じさせたってことだろ」
「それは、そうなんですけど……」
本当に、今日はどうかしている。自分からこんな風に彼を誘って、リビングでこんなはしたない格好をしているなんて。
身体を起こして、身なりを整えようとしたら、そのまま引き留められた。
「まさか、自分だけ満足して終わるわけじゃないだろうな?」
「え? それは……ええそう、なんですけど」
たしかに彼の言うことももっともなのだけど。だが、どうするのが正解なのかがわからない。もじもじとしていたら、彼は片手で器用に自分の着ているものを緩めた。
これはこれで、寝室にいる時よりずいぶんいやらしい感じがする。
「ほら、そのまま。腰を落として」
「そ、そのままって……んんんっ」
再び腰を上げさせられたかと思ったら、蜜壺の入り口に熱杭の先端があてがわれる。そのまま腰を落とせと言われても、自分から彼を体内に招き入れたことはなかった。
「こ……こ、う……?」
先端に狙いを定め、片手で彼自身の根元を支える。その熱さと太さだけで、思わず喉が鳴った。こんなに大きなものを、今まで受け入れていたなんて。
「──あ、あぁ……」
ゆるゆると腰を落としていく。濡れた壁を開かれていく感覚に、思わず眉を寄せて唇が半分開く。完全に根元まですっぽりと飲み込んでしまった。
「あ、あっ! 待って、動かないでっ!」
「無理。俺だって、さっきからずっと煽られっぱなしだ」
どうしてそういうことを、なんのためらいもなく口にするのだ。けれど、その言葉は、嬌声にとってかわられた。
腰を掴まれ、そのまま激しく上下に揺さぶられる。蜜壺内を隙間なく埋め尽くしている剛直が、体内を遠慮なく暴れまわる。
普段は突き入れられることのない最奥まで激しく突き上げられて、頭が沸騰しそうなほどの熱を覚えた。
「あっ、あっ、イッちゃうっ! 待って!」
先ほどから乱れっぱなしの隘路は、遠慮なく肉杭を締め上げる。それと同時に再び揺さぶられて、もたらされるのは凶悪なまでの悦楽。
達したばかりの身体が、再び快感を追って走りはじめ、そして莉子を混乱の渦に追いやった。
「待てない──ほら、イけばいい」
「あぁぁっ!」
ぐるりと回すような卑猥な突き上げで、一番奥が再び刺激される。あっけなく達してしまいそうになり、我知らず歯を食いしばった。
「ダメッ、ダメッ、私、ばっかり……、あぁーっ!」
下腹部が、強烈な愉悦に震えはじめる。一人で先に達したくないのに、抵抗できそうもない。