「君は知らないんだ。俺がどれだけ君を愛してるか」
元カレに二股をかけられ手酷く裏切られた佳織は、勤め先の常連客・有永から熱烈な告白を受け、交際0日で結婚することに。航空自衛隊の花形「ブルーインパルス」のパイロットだという有永は、女性ファンからの誘惑をものともせず、佳織だけを見つめ愛を囁き溺愛してくる。そんな有永に惹かれていく佳織だが、彼には真に愛する人がいると聞かされ…!?
「ぁ、ゃっ、待っ、有永さんっ」
湧き出す快楽に思わず太ももを擦り合わせて半泣きになる。
こんな、少し触られたくらいで欲情してはしたなく喘ぐ姿を見られたくなかった。
「恥ずかしくて死んじゃう……」
「俺は君が可愛くて死にそうだ」
掠れた声で彼はそう言って胸から手を離し、代わりに胸元に顔を埋める。べろりと乳房を舐められて、ぞくりと甘い疼きが背中を走る。
「やぁ……んっ」
「気持ちよくなってくれているのが嬉しい」
そう言って彼は乳房の先端をその口内に含んだ。
「ゃ、やぁあっ」
あまりにも強い刺激だった。舌先で包まれ、突かれ、優しく吸われる。
「ぁ、ぁあっ、あんっ」
シーツを強く掴み、身体をくねらせて刺激に耐える。
「も、だめ、だめっ」
「そうか? 嫌そうな声じゃない」
唇を離した有永さんの指先が脇腹に触れた。そうしてまた再び先端を彼に食まれ快楽に身体を強ばらせた隙に、彼の指先はゆっくりとお臍のあたりを撫でる。そのまま下に向かっていく感触に、思わず息を詰めた。
誰にも触られたことのない場所――ゆっくりと恥骨の上を手のひら全体で撫でたあとに、彼の指が少し下に触れる。
「や、……っ」
鮮烈な快楽に、思わず腰が浮いた。
彼の指がさらに強く、そこ……肉芽を押した。
(何、これ……っ)
視界がチカチカして、強すぎる快楽から逃れようと知らず腰が動く。
私を見下ろしながら、有永さんが「はあ」と息を吐いた。
「舐めてもいいか?」
「……へ?」
答えを聞かぬままに、有永さんは私の太ももを掴み広げ、そこに顔を埋めた。
「ま、待って……ッ」
有永さんの短髪に指を絡める。
けれどそんな抵抗など無視されて、彼の熱い息がそこにかかる。
「やめ、だめ、汚い……っ」
身体をくねらせるも、太ももを掴む彼の手に力が入るだけで。
「ぁあ……っ」
彼の舌先が微かに肉芽に触れる。途端にピリピリとした電気にも似た刺激が腰まで包む。彼はそこをしばらくつついたあとに、ちゅっと吸いついてきた。
言葉どころか、声も出ない。
腰が上がり、シーツを握りしめた。
顔がぐちゃぐちゃになっているのが分かる。ちゅ、ちゅっ、と強弱をつけ何度もそれを繰り返される。
自分のナカが潤み、きゅ、きゅっと収縮しているのが分かる。下腹部、子宮のあるあたりは切なく疼き、痛みすら覚えていた。
慰めてほしい、と思考の底からあぶくのような感情がぽこぽこと生まれ始める。
それとはまた別に、肉芽に与えられる快楽は波のように引いては返す。
肉芽が彼の唇に包まれて、彼の熱い息が恥骨に当たり、信じられない淫らな息が自分が零れている。
「はぁ、あ、んあ……っ」
きっともうすぐ、取り返しのつかないところに行ってしまう。
その予感が快楽と入り混じり、知らず眦から生理的に涙が零れる。
ちゅううっ、とひときわ強く肉芽が吸われて。
「う、ぁ、いやぁ……っ」
私は自ら足を大きく開いてばたつかせ、彼の身体を蹴ってしまう。けれどそれを意識して止めることはできなかった。
あまりにも、気持ちがいい。
頭の中がシェイクされたみたいにぐちゃぐちゃだ。口からは発情期の動物みたいな声が出ている。自分のナカ、粘膜が強くうねり収縮して寂しがっている。一方で肉芽に与えられた快楽は思考を真っ白に、して――――
ガクッと力が抜けた。
自分の入り口がヒクヒク動いているのを頭のどこかで意識しつつ、シーツに身体を任せる。
さっきまで淫らに私の肉芽に吸いついていた有永さんの唇が、今度は慈しみ深く私の頬に落ちてくる。
「佳織さん、可愛いな」
眉根を強く寄せ、感に堪える、といった風情。
「こんなに可愛いだなんて信じられない。俺を殺そうとしてるよな」
「……絶対今の、かわいく、なかったです……」
動物みたいに啼いてた。
彼を軽く睨みつつ見上げると、有永さんは「少し」と表情を真面目なものに変えて言う。
「指を挿れていいか? 痛かったら言ってくれ」
私はハッとして頷く。
緊張している私の頭を撫でて、有永さんは私の膝を割り開く。そうして下腹部を優しく撫でてから、私のナカに指を挿し入れた。
「んっ」
「痛いか」
慌てて首を振る。
「変な、感じは……しますけど」
答えつつ恥ずかしくなる。
ぬるつく感覚は、やっぱり明らかに私が「濡れている」証拠だった。
有永さんはじっと私の顔を見つめている。探るように動かされたあと、わずかに指が深くなる。
「ふ……っ」
身体の内側に異物が入ってくる違和感に息を吐くと、彼は指を止めて私の額にキスを落とす。
「大丈夫か?」
「は、……い」
動かすぞ、と彼は言ってナカをゆっくりと動かし始めた。そのたびにぬるついた水音が立ち、恥ずかしくなってシーツを握る。
何かを探すかのようにナカをまさぐっていた彼の指が、恥骨の裏側をくいっと押し上げる。
「あ」
思わず目を見開いた。無言で私を見ていた彼は、同じところをぐ、ぐっ、と少しだけ力を込めて押してわずかに唇を上げた。
「ここか?」
なんの話か分からず、眉を下げて彼を見る。有永さんは何度も私にキスを落としながらも、指は止めずにそこを柔らかく弄り続けた。
そのたびに浅く、速くなる呼吸で、肺が痛い。泣き叫びそうになって唇を引き結ぶ。さっき、肉芽を吸われたのとは違う、深く湧き出すような感覚がじわりと腰を包んだ。それは細波のように寄せては返す。奥の方からごぽりと何か溢れ出す。
「ぁ、んっ、有永、さ……怖、い」
私は手を少し彷徨わせたあと、どうしようもなくなって彼にしがみついた。
「気持ちよすぎて、ぁんっ、怖い……っ、は、ぁ……っ、なにか、来ちゃうっ」
「佳織さん」
有永さんが真摯な声音で私を呼ぶ。
「可愛すぎる。そんなふうにされたら、やめたくてもやめられなくなる」
「ん、っ、やめてほしくないの、でもっ」
声に涙が滲んだ。肉襞がわななき、ゆっくりと収縮を始めている。
「はぁ、っ、有永さぁ……ん」
迷子の子供みたいに、半泣きになりながら彼を呼ぶ。有永さんの指は無慈悲なほど私の粘膜を弄り続けている。ただ、もう片方の手でぎゅっと私を抱きしめてくれた。
(安心、する……)
下腹部では暴力的な快楽が渦巻いていて、気持ちよくて、私はそれが怖くて仕方なくて……なのに彼に抱きしめられると安心する。「しっくり」する。
探していた誰かに出会ったような、そんな気分に――
「ぁぁあ……っ」
泣きながら彼の背中に爪を立ててしまう。ぎゅううっと自分のナカが彼の指を締めつけていた。肉襞は呼吸を繰り返すたびに蠕動して、涎のように温い水を垂れ流す。
「は、あ……」
彼の指が私から出て行った、かと思えばすぐに戻ってきた。さっきとは違う感覚に、指が増やされたのだと分かる。
「んっ」
唇を噛むと、優しくキスが落ちてくる。
貪るようなものではない、ただ重ね合わせるだけの穏やかなキス。
それを繰り返すうちに、ナカにあった指が私の内側をバラバラに蠢き始める。
「ふ、ぁあっ、やだ、っ」
くすぐられるような感覚に思わず腰が浮く。有永さんは喉仏のあたりで微かに笑って、ぐっと腰骨に腰を押しつけてきた。当たる硬い「何か」に呼吸が乱れる。
「悪いが、痛みがないのなら慣れてくれ。限界が近い」
苦しそうな声に、ぴくっと指が動いた。
「んっ、はぁ、あっ、有永さ、苦しい……の?」
有永さんが苦笑をたたえた瞳で私を見つめる。
「苦しい。すぐに君に入りたい――同じくらい、君に痛い思いなんかさせたくない。できるだけ解して、痛みなんか最小限にしたい」
「でも、……っ、はぁんっ」
内側がトロトロと溶け始めている感覚に陥る。キュンキュンと肉襞が収縮し、ずくずくと子宮が甘く痛む。
その痛みに身体を操られるように、私は彼の屹立に手を伸ばしていた。
「――っ、佳織さん」
ここまで慌てる彼の声を聞いたのは初めてだ。なんだか愉快な気分になり、喘ぎながら微笑む。
「んっ、ぁんっ、有永さんにもっ、気持ちよく……っ、やぁんっ!」
指がまた増やされたのが分かる。それに足の裏にまで力を入れてしまいつつ、必死で指先に神経を集中させた。
赤黒く、大きく肉ばった、彼の先端。
そこからはトロリと露が溢れていた。それを引き伸ばすかのように手のひらで先端をこねくり回す。
「ね、有永さぁ、んっ、きもち、ぃ?」
はあはあと浅く呼吸を繰り返しながらそう尋ねると、有永さんは「ぐっ」と強く息を吐いてから口を開く。
「当たり前だろ……っ、好きな女にこんなことされて」
それから思い切り眉根を寄せて呟く。
「っ、佳織さ……っ、一度、止めてくれ」
「や、ぁっ、ですっ」
思い切って握ってみる。彼から溢れた液体を塗りつけるように数回動かすと、有永さんは微かに呻いたあと、私を抱きしめていた腕をシーツについて身体を起こした。そうして、私の手の上から自身を握る。
「君、なぁ……っ」
その表情があまりにも淫らで艶っぽくてびっくりした。男の人も、こんな顔するんだ……
精悍な眉目が歪められている。それが苦痛ではなく、快楽によるものだとはっきりと分かる表情――ふーっ、と漏れる吐息は何かに耐え続けていて……
と、彼が屹立を握った手を動かし始める。器用なことに、私のナカを弄る指も止まらなかった。バラバラに動き、かき混ぜるような動きをされて反射的に足が動いた。
「やぁ……っ」
「くそ、可愛すぎる、殺す気か」
そう言った彼の屹立から、ぼたぼたと何かが零れ、私のお腹に落ちてきた。それがなんなのか認識する前に、彼の指先が一番奥をぐいっと押した。
「あ」
顎が反る。有永さんは深く指を蠢かせ、ちゅくちゅくと指で抽送し続ける。
「ん、ぁっ」
私が身体をくねらせると、お腹の上で有永さんが出したそれがぬらりと動く。それを知覚しながら、私は身体の最奥をぢゅくぢゅく淫らな音を立てながら弄られるのを止めることができない。
「ぁ、ああっ」
身体が跳ねそうになるのを、ぐっと抑えられた。私から零れる水音が、こちゅこちゅと空気を混じらせたようなものに変わる。
「はぁ、あっ、ぅ」
頭の芯が痺れて、ただ悦楽を受け入れるしかできない。自ら大きく足を開き、お腹の奥でぐずついていた何かが、あぶくのように湧き出て大きな塊になった何かが、ばちんと弾けて決壊した。
「あ――……」
自分から何かが溢れて、ぎゅうぎゅう彼の指を締めつけて、子宮がわななく。
半ば、意識は飛んでいた。
その飛んだ意識で、これが「イく」なんだなとはっきりと理解した。飢餓感を一気に満たされるそれは、信じられない快楽だった。
呼吸に甘える声が混じっている。恥ずかしいのに止められなくて、私はだらりと横たわり、視界の隅で、すっかり無愛想顔に戻った有永さんがお腹の上にあった白濁をティッシュで拭おうとしてくれるのを見ていた。
「悪い、汚した」
淡々とそう言って白濁を拭おうとする彼に首を傾げる。汚した?
「――汚く、ないですよ」
呟いて、そっと手を伸ばす。指先に触れたそれを少し掬ってまじまじと見つめる。少し青臭い香りに、生を感じた。
「初めて見ます……」
「佳織さん」
お腹の上の白濁を拭き、困った子供にするような声音で有永さんは言う。
「綺麗なものじゃない。手を貸せ、拭くから」
無視してべろりと舐めてしまう。
「んむ」
思っていた味とは違った。舌先が少しぴりつく。
「変な味……」
「当たり前だ」
有永さんが呆れたように私を見ながら、なぜかのしかかってくる。
「有永さん?」
「出したから少し落ち着くと思ったのに、無理だ。もう挿れたい」
「え」
視線を彼のお腹に移す。
有永さんのは、さっき出したばかりとは思えないくらいに再び大きく反りかえっていた。目を瞠ると同時に、肉襞がきゅううつっと収縮する。
本能が、あさましく彼を欲しがる。
「あんなことされたら勃つに決まってるだろ……!」
くちゅ、と入り口に肉ばった先端をあてがわれる。ぬるついたそれは、思ったよりも肉めいていた。
「んんっ……!」
入り口が自然にぱくぱくと震えるように動いていた。淫らな身体の反応に羞恥で半泣きになる。
こんなふうに、なるんだ……
しばらく先端を入り口に擦りつけたあと、有永さんは大きく深呼吸して私から離れる。
「孕ませたいけどまだ孕ませたくない」
「……有永さん?」
こつん、と額を重ねて有永さんは言う。
「君が本当に俺を望んだときがいい」