旅先で知り合った年上の男性・竜史にデートに誘われ頷いてしまった美波。ある事情で男性が苦手な美波を、竜史は大人の余裕で焦らず大きな優しさで包み込んでくれる。「君の本当の姿をもっと晒してくれてもいいんだ」じっくりと甘やかされ愛される悦びを知り美波は幸せを感じるが、長年の男性不信から、彼にプロポーズされてもすぐに応えられず――!?
不思議だった。少しくらい嫌だと思う部分があるのではないかと思ったのに。
しかし、彼なら触れられても構わなかった。というより、彼以外の男性では絶対に嫌だった。だとしたら、少しくらいは彼に心を許しているのかもしれない。
彼の掌が胸の膨らみをそっと包む。ブラウスとブラジャーを通して彼の体温を感じ、何故だか胸の奥が熱くなっていくようだった。
その手がゆっくりと動いていき、布越しに乳房を撫でられている。その刺激により、布地の下の乳首が固くなってきた気がした。
いや、気のせいではない。すごく敏感になっている。そして、布地に擦られていくうちに、もっと敏感になってしまっていた。
やだ……。何か変。
身体の奥がムズムズしてくる。
彼の唇が離れて、美波は大きく息をついた。胸も大きく上下した途端、彼の手が離れる。
えっ……もう終わり?
物足りなく思った瞬間、彼はブラウスのボタンを上から外し始めていた。そして、いくつかボタンが外れたブラウスの中に手を滑り込ませてきた。
彼の手が直接肌に触れている。温もりを感じて、美波は自分の熱がぐんと上がったような気がした。
恥ずかしいけれど、身体が熱いのはそのせいだけじゃない。鼓動は速いし、自分が興奮しているのが判る。
不意に、彼が胸元に唇を寄せてきた。
美波ははっと息を呑む。
彼の柔らかい唇が胸の膨らみに押しつけられた。
こんなところにキスされるなんて……。
ブラウスのボタンはいつしかすべて外されていた。ブラは丸見えになっていたが、美波はそれどころではなかった。
彼の指がブラの中に滑り込んできたからだ。乳首が指で撫でられて、身体全体がビクンと震えた。急にまた体温が上がったかのように熱くなってくる。
先ほどからの刺激で、すっかり敏感になっていた乳首は、ゆっくりと撫でられるだけで感じてしまう。それどころか、身体の奥にも快感が走り抜けていく。
どうしたの? わたしの身体……。
触れられてもいない脚の間にも甘い疼きが感じられる。
「や……ぁっ……」
かすかな声が出たが、吐息に紛れていく。
まるで彼に触れられることを喜んでいるみたいだ。
「感じてるんだね?」
低い声で囁かれて、ブラウスと羽織っていたカーディガンを腕から抜き取られた。そして、ブラジャーの肩紐を肩から外される。
「あ……」
ブラをずらされると、乳房が見えてしまう。慌てて手で隠すが、彼はやすやすとその手を退けてしまった。
「綺麗だよ」
じっと見つめられて、そんなことを言われると、美波の頬は燃えるように熱くなった。
「は、恥ずかしいから……」
「君が恥ずかしがっているところ、可愛いな」
そうして、彼は改めて美波の両方の胸をそっと触れてくる。
「柔らかいね」
優しく揉むように撫でられて、美波はどうしていいか判らなくなった。恥ずかしいのに、抵抗できない。何よりすぐにまた快感の虜になってきてしまった。
やめてほしいというより、もっと続けてほしくなってくる。
美波のそんな心の声が届いたのか、彼は片方の乳首にそっとキスをしてくる。
「ぁっ……ん……っ」
驚いて声が出てしまった。彼は乳首にキスをするだけではなく、全体を口に含んだ。そして、舌で転がすように愛撫をしてくる。
愛撫されている部分だけでなく、身体の奥深くに甘い疼きを感じた。思わず身体をくねらせるような動きをする。
だって……なんだか我慢できない。
自分でもよく判らない衝動が湧き起こってきて、美波は戸惑っていた。
彼の愛撫がとても気持ちいいのに、それだけでは物足りない。けれども、どうしたらいいのか、よく判らなかった。
彼は左右両方の乳房や乳首に愛撫をしてから、顔を上げた。
目が合ったが、美波は恥ずかしくて顔を隠した。さんざん喘いだから、頬は上気していて、きっといつもと違う顔つきになっているような気がしたからだ。
「君は本当に可愛いよ……」
彼は呟くようにそう言うと、スカートの裾から手を差し入れてきた。
「えっ……やぁぁっ……っ」
嫌だと言っているように聞こえたかもしれないが、美波は自分が嫌なのか、そうでないのかもよく判らなかった。
だって……もっと触ってほしいという気持ちもあったから。
彼のキスが欲しい。愛撫が欲しい。
頭の中はそれだけなのだ。それを否定することはできなかった。
彼の手は美波の太腿を撫でている。ストッキング越しではあったが、やはり感じてしまう。
本当はどこに触れてほしいか、自分ではもう判っている。熱くなっている脚の間に触れてもらいたい。
そんなことを考えている自分が恥ずかしいという思いもある。
でも……。
彼の手が内股を撫でている。身体が震えてきて、もう耐えられそうになかった。
やがて、彼はストッキングを脱がせていった。今度は期待で胸がいっぱいになっている。邪魔なストッキングがなくなって、直接、脚に触れられたとき、背筋がゾクッとした。
彼は身体を下のほうにずらして、スカートをまくり上げる。
美波は息を呑んだ。今更かもしれないが、ショーツを見られると、さすがに動揺してしまう。
「や、やだ……」
小さな声でそう訴えたものの、彼は無視して、美波の太腿にキスをしてきた。身体がビクンと大げさに震える。
同時に、彼はショーツにそっと触れた。まるで焦らすようにショーツの上から指を滑らせていく。
美波はギュっと目を固く閉じた。
こんなふうに焦らされていることがもどかしい。もっとちゃんと触ってほしいとさえ思ってしまう。
彼の指がショーツの脇から潜り込んでくる。
「あぁ……っ」
自分の大事な部分に彼の指が触れている。
そう思うだけで、全身がカッと熱くなってきた。彼はそっと秘部に触れてきて、羽根みたいに柔らかく撫でてくる。
痺れるような甘い快感が、その部分から身体の奥へ流れ込んでくるような感覚を覚えた。
わたし……おかしくなりそう。
こんな快感を初めて味わっている。秘裂は熱く潤っていて、きっと彼の指を濡らしているだろう。そんな自分の反応を恥ずかしいと思いつつも、美波は抵抗できなかった。
ただ、快感をもっと貪りたい。そんな気持ちで頭がいっぱいになっている。
「下着が濡れてしまうよ。脱いでしまおうか」
彼は優しく囁くと、ショーツも脱がしてしまった。だが、それだけでなく、ついでのようにスカートも脱がし、上半身にまとわりついていたブラウスやブラも取り去る。
美波は自分がとうとう何も身に着けていないことを強く意識した。今更かもしれないが、彼にじっと見つめられて、思わず胸や下腹部を隠すように腕で庇う。
「こんなに綺麗なのに……隠さなくてもいいんだよ」
「で、でも……恥ずかしいし……」
何より無防備だ。自分を守るものが何もない。頼りなくて、心細い気持ちになってくる。
「僕もすぐに脱ぐから」
彼はシャツのボタンを外し始めた。
引き締まった肉体が露わになるにしたがい、美波の胸は高鳴る。何故だか、彼の手元をじっと見つめてしまう。視線を逸らそうと思うのだが、どうしてもできなかった。
彼は決して筋骨隆々などではなかったが、適度に筋肉がついた美しい身体を持っていた。ボクサーショーツだけの姿になった彼に、美波は称賛の眼差しを送った。
ああ……じゃあ、彼がわたしの身体を見るのも、同じような気持ちなのかしら。
だって、綺麗だって言ってくれた……。
美波はおずおずと身体を覆い隠そうとしていた腕を退けた。すると、彼は美波に向けて、とろけるような甘い笑みを見せる。
その瞬間、胸の奥にぱっと花が咲いたみたいな気分になった。
なんだろう。この気持ち……。
美波はよく判らなかったが、彼とこうして裸で一緒にいられることが嬉しかった。彼になら……彼だからこそ、美波はこんな状況でも逃げずにいられるのだ。
「もっとキスしていいかな?」
美波はおずおずと頷いた。
「君も僕の身体に触れていいんだよ」
「ほ、本当?」
「キスしてくれたっていいんだ」
彼の身体に触れたり、キスしてもいいの?
自分がそうすることを想像すると、なんとも言えない甘い衝動が湧き起こってきた。
とはいえ、自分から彼に触れることはできなかった。彼は優しい眼差しで美波を見つめて、抱き締めてきた。
初めて肌と肌が触れ合う感覚を覚える。彼の身体は自分の身体とはまるで違う。触れ合ってみて、自分が思ったより筋肉がついているのが判った。
これが男性の身体……。
ううん。誰でもこういう肉体を持っているわけではない。竜史の身体なのだ。
そう思ったとき、美波の身体の熱はぐんと上がったような気がした。もっと彼の身体を味わいたくて、背中に触れてみる。そして、そのまま掌を滑らせて、滑らかな肌の感触を味わった。
彼の硬い胸板と自分の柔らかい乳房がぴったり合わさっていて、妙に感動してしまう。
まるで彼に守られているみたい……。
美波は自分そのものを彼に預けたいという気持ちになってくる。彼に頼ったら、なんの心配もないのではないだろうか。
そんなの、気のせいだって判ってる。
だけど……。
改めて彼は唇を重ねてきた。とても優しい口づけで、うっとりする。こうして彼と裸で抱き合い、キスを交わしていることがなんだか不思議だ。同時に、これがとても自然なことのようにも思えてくる。
このまま溶けてしまいそうだ。二人で溶け合って、ひとつになる。
美波はそんな妄想を抱いた。
同じキスでも、服を着ているときと、こんな状態でするときとは違う。彼はキスをしながら、身体のあちこちに触れてきた。彼の手の温もりが直接自分の素肌に重なって、触れられてもいない脚の間がじんと痺れてくるのを感じる。
彼は唇を離すと、両方の乳房にも再びキスをしてきた。だが、それはほんの少しだけで、すぐにお腹のほうにキスをしてくる。
それから、腰にもキスをされた。
「あっ……あん……っ」
彼の手がまた太腿を撫でている。けれども、さっきより、美波は大げさに反応した。
いや、自分では大げさに反応するつもりなんてない。ただ、身体のほうが勝手にビクンと震えてしまっただけだ。
やだ。おかしくなりそう。
自分の思っているより、身体のほうはかなり熱くなっているようだった。彼の手が優しく秘部に触れると、やはりさっきより過剰に反応してしまう。
「な……なんか……変なの……」
「何が変なんだ?」
「だって……やたらと敏感になっていて……恥ずかしい」
「恥ずかしがることなんてないよ。敏感なほうがいいんだから」
「ど、どうして……?」
「それは……僕が嬉しいから」
彼は囁くように言うと、美波の脚を広げた。
「や、やぁっ……!」
慌てて脚を閉じようとしたが、間に合わない。いつの間にか美波は彼の目の前に自分の恥ずかしい部分を曝け出していた。
「……見ないで」
「大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか判らないが、彼は穏やかな声で宥めてくれる。そして、まだ動揺が止まらない美波の脚の間に顔を埋めていった。
驚いて、思わず身体を強張らせる。しかし、すぐに秘部にキスをされて、ビクンと大きく腰を揺らした。
だって、そんなところにキスをされるとは思わなかったから。
彼はまるで当たり前みたいに、そこにキスをすると、舌で舐め始めた。
ひょっとして、私が知らないだけで、これは当たり前の行為なの?
敏感な部分にキスをされると、たちまちそこが蕩けてくるような気がした。甘い痺れを感じて、美波は頭の中が熱くなってきた。
身体のほうはもうとっくに沸騰しそうなくらいに熱くなっている。彼の舌に舐められる度に、美波の身体はビクンビクンと震えた。
「あっ……ぁぁんっ……っ」
あんなに恥ずかしいと思ったのに、今はそれどころではない。ただ、強すぎる快感に耐えることしかできなかった。
でも、決してそれが嫌なのではない。美波はすっかり快感の虜になっていて、恥ずかしさを感じる余裕もなくなっていただけだ。
自分がこんな格好でこんなことをされているなんて、信じられなかった。こうなると、警戒心なんてどこかに吹き飛んでしまった感じだ。甘い痺れは疼きみたいになっていて、刺激されている部分だけでなく、腰から下が溶けそうなくらいに感じていた。
気がつくと、彼は秘裂に指を這わせていた。
「はぁ……ぁ……ぁっ」
秘裂から蜜が溢れ出してくるのが判る。彼はそのぬめりを借りて、秘裂に沿って指をそっと動かしていった。やがて、その指が秘裂の中へと徐々に入ってくる。
「やっ……」
やめてと言いたかった。けれども、言い出せなかった。
なんだか怖くて、やめてほしいと思うのと同時に、この快感を止めたくない気持ちが交錯する。
恥ずかしいけれど、もっと感じていたかった。この快感を長引かせたい。
あと少し。あと少しだけ。
彼は優しく指を挿入していく。そして、同時に、美波の最も敏感な部分に舌を這わせてきた。
「はぅっ……ぅ……ぁん……っ」