笑って──俺、君には笑っててほしいんだ
貴族令嬢ながら自由を求め、司書として働く薫子は、疎遠だった父の命令で陸軍中尉の淳伍とお見合いをすることに。誠実で優しい彼と会ううちに惹かれ合い、やがて結婚。「可愛い、理性ブチ切れそう」初夜では淫らな愛撫で体を拓かれ、溺れるほどに愛される薫子。幸せな結婚生活が始まるが、淳伍には薫子の知らない“もう一つの顔”があるようで…!?
「だめ、変になる、おかしくなる……っ」
必死に訴えたのに、逆に彼はナカの指を増やした。ナカの肉襞を擦りバラバラに動く指、肉芽は甘噛みされたり舌で潰されたり、さんざんに舌で甚振られる。
「はぁ、ああっ、ああ」
自分から溢れる声がひどく淫らに上擦っていく。身体に熱が籠もっていき、汗がじっとり湧き出た。
喘ぐしかできない私の肉芽にいっそう強く吸いつかれ、目の前で花火が弾けたみたいに身体を跳ねさせた。脚のつま先がキュウと丸まる。
「う、……っ……」
頭の中でパチパチと火花が散っている。ガクンと力を抜いた私の顔を見て、唇を手の甲で拭いながら淳伍さんは笑った。
「はは、またイった。かーわい」
「淳伍さん、……もう……」
淳伍さんは私を真上から見下ろし、にこっと人懐こく笑う。
「まーだ」
「……!」
目を瞬く私の前で、淳伍さんはスルスルと服を脱ぐ。鍛えられた身体にちょっとギョッとした。男性の身体をこんなに近くで見たのは初めてだったから。
軍人さんだからだろうか。
私はそっと彼の身体の至る所に残る傷に触れる。
「痛い……?」
「え? あ、傷跡? ごめん、怖かった? 訓練とかでついた傷なんだけど」
「ううん、痛かったかなって」
そろそろと肌を撫でる。赤い昂った感情と、乳白色の穏やかなものが入り混じっていた。
触られると気持ちいいのかな。こう、リラックスというか。
私は指先で彼の脇腹や腕についた傷跡に触れる。ただ、触れれば触れるほど、彼の昂りは増していって。
「あれ?」
「あー、もう。そんな誘い方はえぐい、えろい、ダメだよ」
なぜか諭されて慌てて手を引く。淳伍さんは「わざとじゃないんだからえぐい」と唇を尖らせつつ、スウェットのズボンを下着ごと脱いだ。
私は軽く悲鳴を呑み込む。
生まれて初めて見た男性のものは、とても、とても大きく思えた。臍につかんばかりに上を向き昂ったそれは、先端を赤黒く大きく肉張らせ、太い幹に血管を浮き立たせている。さらに先端からは露が溢れ、それが幹を伝って根本まで落ちていっていた。
触ってもないのに、それがしっとりと熱を孕んでいるのがわかる。
「あ、……その、っ」
「俺、ちょっとだけ人より大きいみたいなんだけど、薫子さんあんまり痛くならないようにほぐすから、あんま心配しないで」
「う、うん……」
私は目線をうろつかせ、眉を下げた。私のナカに、あれが入るの……?
淳伍さんはにこっと笑うと、私の膝を持ち大きく開く。そのまままた顔を近づけて……。
「や、ま、待って」
さっきみたいに肉芽を舐めるのではなく、彼は私のナカに舌を差し入れる。
「淳伍さんっ」
じゅるじゅるとわざとのように音を立てつつ、彼の舌が私のナカを舐める。信じられない、信じられない。
ダメなことをされているはずなのに、私の身体は快楽を拾ってしまう。穿つように舐められ、私は脚をばたつかせた。
「そんなところ、舐めちゃ、だめ……っ」
「んー?」
彼の舌が私のナカを出たり入ったりしてる。そうしてナカが舐められていく。ああ、恥ずかしくて気持ちよくて、どうしたらいいのかちっともわからない。
「だめだよう……っ」
淳伍さんが低く笑う。指で肉芽を潰されてまたイった瞬間、チュパッと舌を引き抜かれた。
「あああっ」
思わず喘いだ私のナカに、さっきみたいに指が入ってくる。ぐちゅぐちゅと音を立てながら彼が指を蠢かせる。
「あ、あんっ、……んっ」
自分の身体の中に誰かのものがある感覚に戸惑っていれば、指が増やされていく。戸惑いと快楽が交互にやってきて、どうしたらいいのかわからない。
そうしているうちに、肉芽の裏側あたりをぎゅうっと押し上げられ、声が裏返りかける。
「あ、ここ気持ちがいい?」
淳伍さんは頬を緩め、同じところを優しく刺激し続ける。
「あ、ああっ、あっ」
「他にも気持ちいいところがあったら教えてな? 俺、薫子さんのことめいっぱい気持ちよくさせたいから」
淳伍さんは私のそこ──気持ちいいところを、優しく指先で抉る。お腹の奥の果実がさらに潤んでいく。
「ぅ、ああっ、あっ」
お腹で快楽が熟れてぐちゅぐちゅになって落ちたいのに、淫らな感覚ばかりが溜まり、弾けてくれない。
「あ、……まだナカ、イけないか」
淳伍さんが優しく笑う。
「ナカでもたくさんイけるようになろうね」
そう言って肉芽を親指の腹で潰した。
とたんに果実がぐちゅっと弾け、潰れる。
「あああ……っ」
腰が上がり、膝から下がピクンと跳ねる。目の前がスパークした。
彼の指が引き抜かれる。くちゅっと音がして、シーツが濡れそぼっているのがわかった。
はあはあと肩で息をする私を見下ろし、淳伍さんが自分のを手で扱く。先端から溢れた露でヌチョッと音が立つ。
「やばい、限界かも。入れたすぎて痛い」
淳伍さんが呟き、私は彼の腕に触れた。赤い赤い激情。
とたんに下腹部が、子宮が痛いくらいに疼いた。
「挿れて……っ」
気がつけばそう懇願していた。
淳伍さんの瞳がギラッと輝く。彼は小さく、わずかに唇を引き結んだ。
何かを決意するみたいに。
入り口に切っ先があてがわれる。ぐちゅ、という音と一緒に先端が埋められた。
「あ、っ」
「痛い?」
淳伍さんの声に心配が交じる。ぶんぶんと首を振ると、彼は少し安心したように私の頬を指の関節で撫でた。
「痛かったら言ってな?」
こくんと頷くと、淳伍さんは私の腰を掴み、ゆっくりと奥へ屹立を捻じ込む。
淳伍さんが低く声を漏らし、眉根を強く寄せた。我慢してるのかな、と思う。もっと好きに動きたいのかな。彼は探るように動く。私を大切に大切にしてくれている動き。
私の大して役に立たない異能は彼が昂っているのは教えてくれるけど、それ以上はわからない。
「淳伍、さ……好きに、するって……」
そう口にすると、淳伍さんはフッと眉間を緩めた。
「好きにしてるよ」
「でも、もっと……」
自分勝手に動きたいんじゃないのかな。快楽を追いたいんじゃないのかな。
私ばっかり気持ちよくなって……。
「淳伍さんにも、きもちく、なってほし……」
「薫子さん」
息を吸いながら彼は私を呼び、小さく首を振る。
「違うんだ。俺は君が一方的に痛かったり奪われたりするのは、嫌なんだよ」
私は目を見開く。
じわじわと、彼の優しさが身体に染み込んでいく。ああ、大切にされてる、愛されてる、慈しまれてる。
私を愛してくれる人。
自然に手を伸ばし、彼に抱きついた。
「愛してる、薫子さん」
彼の低い声に、少し身体から力が抜けた。それを契機にしたかのように、彼が奥に進み、みちみちと拓かれていく。彼のものでいっぱいになる──幸福と一緒に、鈍い痛みに唇を噛んだ。
「っ、あ」
「薫子さん」
彼の指が唇を撫でた。瞬間、一番奥にゴチュッと彼のものが埋まる。
「あ!」
「薫子さん。……大丈夫?」
心配そうな彼の顔に、心が不思議なほど凪いだ。ああ、受け入れられたって。
にこっと笑って彼の頬に頬ずりをする。淳伍さんは微かに息を呑んだあと、「ずるいよ」と少し泣きそうな声で言った。
「すごくずるい」
私の行動の何が彼にそう言わせたのか、はっきりとはわからない。ただ彼の声が少し潤んでいて、異能でも同じようなものが読み取れて、私はやっぱり淳伍さんは甘えん坊さんだなと思う。
少年みたいなところがある一方で、淳伍さんはいつも大人だ。父の干渉からさりげなく私を庇ってくれたり、結婚に向けてうまく立ち回ってくれたりもした。守られてると思う。
でも同じくらい守りたいし、甘えてもらいたい。そんなふうに思えるのは、きっととても幸せなことなんだろう。
「ん……」
私のナカにみっちりと埋まり、ナカを押し広げている彼の硬い昂り。その熱を感じつつ、私は彼の頭を撫でて小さく「大好き」と呟いた。
「ずっと大好き、淳伍さん」
「──俺も」
絞り出すような声で彼は言い、私をぎゅうっと抱きしめた。そうして額を重ねる。
「愛してる、薫子さん」
彼の言葉と同時に、私は「う、ぁっ」と可愛くない声で喘いだ。
──お腹、みちみち。
私は金魚みたいにぱくぱくしながら思う──一番奥まで入っていたと思っていた彼の屹立が、根本まで埋められた。子宮ごと突き上げられ、脚が震える。
「あ、あっ……」
心臓がばくばくと大きく拍動している。ぎゅううっ、とナカの淫らな肉が悦んで蕩けながら彼のものを締めつけ、うねった。
「気持ちいい? 薫子さん」
淳伍さんが眦を下げ、目を細めて言う。一番奥がキュンキュンうねりながら彼のに喜んでしゃぶりついているのがわかった。再び、ドッと全身から汗が滲み出る。
はあはあ、と浅く早く呼吸しながら彼を見つめる。淳伍さんが微かに腰を動かした。彼のもので充溢した蕩ける粘膜は、それだけでビクビクと痙攣して彼のに吸いつく。
「でも、動いたら痛いかな」
馴染むまでこうしてようか、と淳伍さんは私を抱きしめたまま顔や頭にキスを降らせる。時折腰を揺らめかされ、そのたびに私は軽く喘ぐ。
淳伍さんは微かに眉を寄せ、長く息を吐く。
「……っ、はあ」
苦しげな吐息。また我慢させてる。そう思うけれど、彼は私のために頑張ってくれていると思うと、切ないくらいに嬉しい。ひとりの人間として大切にされているんだって。
でも、やっぱり。
私は自分から腰を揺らめかせた。抱きしめられてるから、動きづらいし、入り口もきっと切れてて痛いけど。でも。
「っ、薫子さん……」
淳伍さんが焦った口調で私を呼ぶ。
「それされると、っ」
淳伍さんの腰が動く。ナカを硬い熱がずるりと動き、ぐちゅっと音を立て、すぐにハッとした様子で動くのをやめた。
ふう、と彼が息を吐く。ああ、やっぱり我慢させてる。
「淳伍さん、私も淳伍さんに気持ちよくなってほしい。だめ?」
「だめ? って」
淳伍さんが自分の顔を片手で覆い、それから「ダメじゃない」と絞り出した。
「でも、いいの?」
「いいよ」
好きにしてほしい、だってあなたが大好きだから。
淳伍さんは聞こえないくらい細く、長く息を吐いた。それから眉根を寄せ、ゆっくりと律動し始める。
ずる、とナカで彼のものが動く。肉襞が彼の肉で引っかかれ、気持ちよくて小さく声を出す。
「薫子さん」
淳伍さんが上半身を起こして私の腰を掴み、とん、とん、と動き出す。ずるぅ……と動く彼のものがヌルヌルとナカを擦り、思わず声を上げた。
「ん、んんっ」
「痛くない?」
「大丈夫」
答えると淳伍さんはゴクッと息を呑む。くっきりした喉仏が上下して、それをどこか夢見心地に眺めていた私の最奥を、淳伍さんが力強く突き上げた。
「ああっ」
「すごい。ナカ、ビクビクしてる」
「や、っ、恥ずかし……っ」
目の奥が熱い。きっとこういうことをするのは、恥ずかしいことじゃないんだろう。夫婦なんだもの。でも、恥ずかしい。
淳伍さんの腰の動きが少しずつ速くなる。ズルズルと濡れた粘膜を擦り上げる動きに、ナカが喜んでキュンキュン締めつけた。
「ひゃ、あんっ、ああっ」
彼が動くたびに淫らに声が漏れてしまう。淳伍さんは私の汗ばんだ額にキスをして、それから私の胸の頂をギュッと摘まんだ。
「ああ」
思わず頤を反らす。淳伍さんはむにむにと私の頬を片手で掴み、自分をまっすぐに見据えさせる。
「薫子さん、俺だけ見てて」