女性不信のイケメン若社長×愛娘をひとりで育てるヒロイン
母の死後、父に引き取られるも継母や異母姉に冷遇されていた悠花。パーティーの席で若手経営者の倉澤と知り合った彼女は、初めて愛し愛される幸せを知っていく。「君の何もかも可愛くてたまらない」しかしある事情で自分は捨てられたと思った悠花は、彼の子をひそかに出産することを決意。ところが静かに暮らす彼女の元に、倉澤が突然、訪ねてきて!?
ブラウスを脱がされ、スカートにも手をかけられた。
「あ……あの……」
「なんだい?」
「服は自分で脱ぐから、今度はあなたが目を閉じていて」
「ああ、いいよ。じゃあ、目を閉じるから」
彼がそう言った後、悠花はそっと目を開けた。確かに彼は目を瞑っている。それを確認して、スカートに手をかけた。
自分で脱ぐのも恥ずかしいが、子供みたいに脱がされるのはもっと恥ずかしい。スカートを下ろすと、その下に穿いていたストッキングも脱いだ。下着だけの姿だが、これを取り去る勇気はどうしてもない。
脱いだ服は畳んで、とりあえずソファの上に置いておく。そして、下着だけの姿を隠すために、掛布団の中に潜り込んだ。
「も、もう目を開けていいわ……」
彼がゆっくりと目を開け、布団で身体を隠して座っている悠花を見ると、ふっと微笑む。
「僕に見られるのは恥ずかしい?」
「だって……」
「照れ屋なんだね。じゃあ、僕も脱ぐから、君も目を閉じていてくれるかな?」
「あ……ハイ」
悠花は思わず両手で顔を覆った。目も閉じているが、なんとなく顔も隠したい気分だったのだ。
衣擦れの音がする。ベルトを外す音もして、彼もきっと同じように悠花が脱ぐ音を聞いていたのだろう。何故だか息を止めてしまうくらい、緊張してくる。
やがて、彼がするりと布団の中に入ってきた。悠花の背中のほうに腕を回して、柔らかく抱き締めてくる。
悠花は肌の温もりを直接感じた。ドキドキしながらも、その感触が心地いい。
「目を開けていいよ」
彼の言うとおりにすると、彼に包まれている自分を感じた。
「これは……いらないね」
「あ……」
ブラのホックを外され、静かに取り去られる。自分を守るものがいよいよなくなり、心細く感じた。しかし、改めて抱き締められると、二人とも上半身裸なので、じんわり熱が直に伝わってくる。
「落ち着いた?」
「少し……。でも、まだ緊張してる」
「大丈夫。……いや、こんな言葉を信じられないかもしれないけど……」
「ううん。わたしは将生さんを信じてるから」
そう。彼はひどいことをしない。きっと優しくしてくれる。
悠花は家族と呼べるはずの人達からつらい目に遭わされてきた。だから、人が信じられなくなるときもあった。
でも、彼は違うから……。
信じられる人がいることはちゃんと知っている。彼は間違いなくそっち側の人なのだ。
「ありがとう……。信じてくれて」
彼が悠花を抱き締めたまま、そっと横たわらせてくれた。
「あ……っ!」
布団をずらされ、半裸の身体が露わになる。思わず腕で胸を隠そうとしたが、彼の手に優しく退けられた。
じっと見られて、頬が熱くなる。それに、彼の引き締まった身体が視界に入り、どこを見ていいか分からなくなってしまう。
「綺麗だよ」
甘く囁きながら、彼は唇にキスをしてきた。貪るようなキスではなく、悠花を宥めるような静かなキスだ。
彼の唇がそのまま顎に移動し、そこから喉を通り、胸元に到達する。彼は両方の乳房を手の中に包んだ。ゆっくりと掌を回すように動かされると、敏感な乳首に刺激が伝わる。
「ん……ふっ……ぅっ」
そんな刺激が快感に変化していく。悠花はもじもじと身体を揺らした。
「こんな少しの刺激でも感じる?」
「だ……だって……ぅんっ……」
甘えたような声になってしまい、ますます恥ずかしくなってくる。
「いいんだよ。敏感な君が可愛らしくて……たまらないから」
彼は片方の乳房を覆っていた掌をずらすと、そこに唇をつけてきた。
「あぁ……ん……ぁ」
乳首にキスをされている。ドキンと大きく胸が高鳴った。続いて、甘い快感が身体中に駆け巡っていく。
どうしてこんなふうになってしまうの……?
我慢しようにも、どうしてもできない。口に含まれ、舌で舐められて、身体の奥のほうで沸き立つような感覚を覚えた。
今まで経験したことがない快感だった。胸の先を刺激されただけで、こんなに乱れる自分が不思議に思えてくる。
みんな、こんなふうになってしまうの? それとも、わたしだけ?
戸惑いながらも、ただ快感に翻弄されていく。
「やぁ……ぁん……」
自分の口から出る声でさえ、今まで聞いたことがないような嬌声だ。
彼がどんどんわたしを変えていく……。
それが怖くもあり、嬉しくもある。
「わた…し……どうにか……なりそう」
切れ切れでそう訴える。両方の乳首を交互に愛撫されて、ますます敏感になってしまっていた。
「……まだだよ。もっと感じてもらいたいから」
彼は顔を上げると、笑いかけてきた。
「い、意地悪……」
「意地悪かな。でも、君が可愛い声で喘ぐから、ついつい……ね」
彼はすっと頭を下げ、今度はお腹にキスをしてきた。同時に、腰の辺りに触れてくる。
「あ……んっ」
腰から太腿にかけて撫でられて、身体の中に電流が走ったみたいな感覚があった。ビクンと大げさに腰が揺れる。
「気持ちいい?」
「……いい……けど……」
感じていることを知られたくなくて、嘘をつきたかった。だけど、嘘をついてなんになるだろう。どのみち身体の反応から知られているに決まっている。
それに……好きな人に触れられて、なんにも感じてないはずがないんだから。
「本当に……なんて可愛いんだろう。君の声も……反応も……何もかも可愛くてたまらない」
彼はそう囁きながら、太腿の間にそっと指を差し入れてきた。
「や……ぁ」
「……嫌じゃない……よね?」
悠花は小さく頷いた。
嫌であるはずがない。ただ、恥ずかしいだけなのだ。特に、自分が見せている反応自体が。
「素直に感じていいんだ。僕はそんな君が見たいんだから」
「あ……でも……っ」
下着の上から敏感な部分に触れられている。指で優しく撫でられて、途端に身体の内側が熱くなるのを感じた。
秘裂に沿って指でなぞられると、今度は身体が小刻みに揺れていく。身体は熱いのに、何故だかゾクゾクしてくる。自分の身体なのに、コントロールが利かないみたいだった。
わたし……どうしちゃったの?
そう思いつつも、あまりにも愛撫が気持ちよすぎて、悠花は彼に身を委ねることしかできなかった。
そのうち、指がクロッチの脇から中へと滑り込んできた。
「あぁ……ぁっ」
直に秘部に触れられている。悠花は息を呑んだ。
花弁をかき分けるように指が入り込んできて、内側を撫でていく。すると、濡れた音がして、ビクッとする。
「や……やだ……ぁ」
小さな声で抗議したけれど、彼が聞いてくれるはずもない。それに、悠花も愛撫をやめてほしいわけではないのだ。
だって……。
彼の指が当たるところがすべてじんと痺れている。甘い疼きが込み上げてきて、その快感で頭の中まで痺れてくるようだった。
「このままじゃ……下着がびしょ濡れになってしまうね」
「そんな……ぁ……ん」
わざと恥ずかしがらせることを言ってるの……?
そう思っていると、彼は下着から指を抜いた。そして、その下着をするすると下ろしていく。
「えっ……やぁ……!」
くるくると丸まった下着が足首から抜かれ、とうとう悠花は一糸まとわぬ姿となった。今さっきまで秘部を弄られていて、ほぼ全裸に等しかったというのに、今更動転するのはおかしいだろうか。
それでも、すべてを晒しているのだと思うと、頬が熱くなってくる。
彼は微笑むと、悠花の太腿にキスをした。
「あん……ん……っ」
「脚の力を緩めて」
「えっ」
下着を脱がされてから、悠花はしっかりと両脚を閉じていた。だけど、彼はその脚を左右に開いていく。
悠花の大事な部分が彼の視線に晒されている。一瞬、竦んだように身体が強張ったが、優しく触れられて、すぐに強張りが溶けていった。
同時に、再び甘い痺れが湧き起こってくる。
「ん……ぁ……」
彼の指先が内部に入り込んでくると、秘裂からはとろりと蜜が溢れてきた。
愛撫によってもたらされる快感に、次第に夢中になっていく自分が怖くもあった。だけど、とても止められそうにない。
だって……大好きな人に触れられていると思うと、もう気持ちよくて……。
指先がどんどん中へと入っていく。内壁を擦るように指が動いて、それが新たな快感を生む。気がつけば、悠花は腰を揺らしていた。
ああ、わたし……何をやっているの?
でも、やっぱり止められないの。
快感が自分の身体を支配しているみたいだ。頭が麻痺したように、ただ気持ちよさばかりを求めてしまう。
やがて彼は指を引き抜いた。そして、悠花の脚を広げて、秘部に舌を這わせ始める。
「……っ!」
息を呑んだのは何度目になるだろうか。しかし、息を呑まずにはいられなかった。
敏感な部分を刺激され、身体が震える。
「はぁ……はぁ……あん……っ」
声が抑えられなくなってきた。身体の内部から熱い衝動が湧き上がり、どうすることもできない。悠花はシーツをギュっと掴んだ。
「もぅ……やぁ……」
もう一度、指が内部に入ってくるのが分かった。舌で愛撫されながら、指で中を刺激されていき、悠花は頭の中が沸騰しそうになっていた。
自分をどうにも抑えられない。
わたし、どうなってしまうの?
もう我慢できない。
不意に鋭い快感が身体を貫いた。
「ああっ……ダメー……ッ!」
全身を強張らせた後、スッと力が抜けていく。快感の余韻は続いていて、悠花は息を乱したままだった。
彼が指を引き抜き、顔を上げる。
だげと、恥ずかしくて、とても顔を見られない。悠花は目を閉じ、顔を背けた。その間、彼は自分も下着を脱いでいるようだった。
やがて、彼が柔らかく抱き締めてくる。
「……将生さん」
彼の温もりがいとおしい。二人とも、何も身に着けていないから、全身が重なっていて、胸の奥までじんと幸せを感じた。
欲望より悠花の気持ちを優先させてくれている。そんなふうに思えたからだ。
「優しくするからね」
まるで自分に言い聞かせるみたいに、彼は囁いた。
身体を起こして、サイドテーブルの引き出しを開け、そこから小さな箱を取り出した。それが避妊具だということに、すぐに気づく。
そうよね。避妊は大切だもの。
子作りする夫婦でもなければ、必要なものだ。彼はそれをちゃんとつけて、しどけなく開いた悠花の両脚の間にあてがった。
「……っ!」
瞬間、身体を強張らせると、宥めるように太腿を撫でられる。
「大丈夫。……力を抜いて」
そうよ。力を抜かなくちゃ。
緊張しつつも、なるべく力を抜くと、それが伝わったのか、彼がゆっくりと先へと進んでいく。
痛い。でも……。
これで彼とひとつになれる。そう思うと、どんなに苦しくても耐えようという気持ちになってくる。
やがて彼が奥まで到達した。痛みが去り、悠花はいつの間にか閉じていた目を開ける。
「大丈夫?」
彼が心配そうに見つめている。優しさが沁みてきて、胸の奥に温かいものが湧き上がってきた。
「大丈夫……」
悠花は彼に手を伸ばした。すると、彼がその腕の中に入ってきて、しっかりと抱き締めてくる。
今、二人はひとつになっているのだ。
幸せ……。