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高嶺の花の箱入り令嬢ですが、いつの間にか番犬幼馴染みに囲い込まれていました

高嶺の花の箱入り令嬢ですが、いつの間にか番犬幼馴染みに囲い込まれていました

  • 著者:春日部こみと
  • イラスト:森原八鹿
  • ISBN:978-4-596-72764-0

  • ページ:288

  • 発売日:2025年3月12日

  • 定価:本体1200円+税

キーワード
  • Ω令嬢
  • アルファ
  • イケメン
  • エリート
  • オメガ
  • オメガバース
  • シリーズ
  • スパダリ
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  • あらすじ

    「他の何を諦めても、君だけは諦めない」
    オメガの名家・小清水家の三女の咲良は、新進気鋭の陶芸家。〝咲良姫の番犬〟と呼ばれる幼馴染みでアルファの浅葱からアプローチされても、恋を知らない咲良は真面目に取り合わない。ある日、一族の当主である母から番候補との見合いを命じられた咲良は、結婚が現実味を帯びたことで浅葱への気持ちを自覚。番になってほしいと懇願するけど…!?

  • 試し読み

    「どれだけ君を抱きたいと思い続けてきたか、教えてあげようか?」
     低い声で囁くと、咲良は驚いたように目を丸くしている。
    「……あ、浅葱……?」
    「君はもう少し、僕の想いを思い知るべきかもしれないね、咲良ちゃん」
     うっそりと微笑み、浅葱はもう片方の手で咲良の顎を押さえ、さくらんぼのように赤い唇に自分のそれを重ねた。
    「んっ……!」
     可愛い鼻声を聞きながら、柔らかな唇を、思うままに貪る。
    ずっと味わってみたいと思い続けてきた果実だ。熟れた唇の肉は柔らかいだけじゃなく、ベルベットのように滑らかだった。
     先ほど彼女からされたキスは、唇が触れ合うだけの可愛らしいものだったが、浅葱がしたいキスは違う。喰んで、舐めて、味わって、貪り尽くすキスだ。
     下唇の肉に歯を当てながら、小さな歯に舌を這わせる。咲良の甘い唾液の味がして、背中にゾクゾクとした歓喜が走り下りる。薄く開いた歯列にやや強引に舌を捩じ込むと、甘露の味が一気に濃厚になった。
     咲良の口の中は熱く滑らかで、花の蜜のように甘かった。
     初めて味わうその甘味を歓喜と共に味わっていると、咲良の小さな舌に触れる。濃厚なキスは初めてなのだろう。怯えるように奥で縮こまっているのが可愛くて憐れで、浅葱は宥めるように優しく舌を絡ませた。
    「んっ、んぅ……」
     仔犬のような微かな鳴き声をあげながらも、咲良は拒まない。
     それをいいことに、浅葱は思うままに小さな口内を文字どおり蹂躙していった。
    「ふ、……ん、ぁっ、んんっ!」
     柔らかい舌の付け根をねっとりと舐り、擦り合わせる。異物が侵入したせいか、咲良の甘い唾液が泉のように湧き出していて、浅葱は嬉々としてそれを啜り、嚥下する。比喩ではなく、本当に甘いから不思議だ。これが人間の体液であるなんて信じられない。
    (唾液が甘いなんて、聞いたことがないが……)
     咲良がオメガの中でも特殊な『女神胎』だからなのか、あるいは浅葱が咲良を愛しすぎているからそう感じるだけなのか。
     だがそんなことはどうでもいい。今はただ、この花蜜を味わうことしか考えたくなかった。
    尖らせた舌先で口蓋をなぞると、咲良がビクリと首を竦める。どうやら敏感な場所だったようだ。嬉しくなってそこを重点的に擽りながら、片手で咲良の乳房を服の上から弄った。
    思ったよりも重量感のある感触に、浅葱は内心少し驚く。咲良は芸術家肌だが、きっちりとした生活を好む。三食バランスのいい食事を自分で手作りし、ヨガや筋トレなど、日々のワークアウトを欠かさない。健康維持のためなのだろうか、そのおかげで身体つきはスレンダーなモデル体型だ。
    だから胸もあまり大きくないと思っていたのだが、これは予想外だ。
    浅葱は咲良の胸であれば大きさなどどうでもいいのだが、それでもこのふわふわとした感触は嬉しいかもしれない。
    「んっ……!」
     乳房を掴まれて、咲良が一瞬びっくりしたように目を見開いたが、止めようとはしない。
     それに安堵しつつ、浅葱は咲良の着ているカットソーをインナーごとたくし上げた。咲良をベッドに寝かせる際に、少しでも寝心地がいいようにと、コートとカーディガンを脱がせておいたから、剥ぎ取るのはあっという間だ。
     自分よりも体温が低いのだろう。触れると咲良の素肌は少しひんやりとしていて、クリームのように滑らかだった。今自分は咲良の肌に触れているのだと手のひらの感覚からも実感すると、身体が興奮で熱くなった。
     肌の感触を味わうように咲良の身体をゆっくりと撫で上げていくと、布の感触にぶつかった。ブラジャーはまだ残っていたのだと気づき、浅葱はキスをやめて上体を起こす。
     ──下着姿の咲良。見たい。
     日本語を覚えたての外国人のようになりながら、咲良の上に馬乗りになった状態で彼女の姿を見下ろした。
     カットソーを首元までたくし上げられ、平らな腹が丸見えになっている。触り心地の印象で分かっていたが、肌理が細かく、真っ白で、陶磁器のように光っていた。捲り上げられた衣類の下には、ペールブルーのレースの下着で飾られた、形の良い乳房が見える。雪のように白い肌と氷のような淡いブルーの組み合わせが、凛とした咲良の雰囲気によく似合っていた。
     咲良はキスで息が切れたのか、頬を上気させぼんやりとこちらを見上げている。
    (……めちゃくちゃきれいだ……)
     まるで雪の精霊か女神のようだ。
     自分のような者が触れていいのかという疑問すら湧いてくるが、浅葱は冷笑でそれを振り払う。
    (たとえ触れることが許されない女神だとしても構わない)
     咲良を手に入れられるなら、どんな罪だろうと喜んで犯してやる。
     挑発的な気持ちのままに、形良く寄せられた谷間に指を差し入れ、カップをずり下げた。ふるん、と柔く丸い肉がまろび出てくるのを見て、浅葱は思わずその上に顔を伏せる。信じられないくらい柔らかく滑らかな感触と、咲良の甘い肌の匂いに、脳がカッと熱くなった。片手で乳房を鷲掴みにし、その中心にある薄紅の小さな蕾にむしゃぶりつく。
    「ヒァッ……!」
     驚いたような可愛い悲鳴が聞こえたが、もう気にする余裕はなかった。
     舐めしゃぶり、舌先で軽く転がすと、柔らかかった乳首はあっという間に芯をもって硬く凝る。それが健気に思えて、何度も労るように舌で撫で回していると、咲良の腰が妖しくくねり、冷たかった肌が熱を帯び始める。
     彼女が興奮しているのを感じて、浅葱の欲望にも加速がかかった。
     穿いているスラックスの中では、浅葱の熱杭がもうすでにはち切れんばかりになっていて痛いくらいだ。
     まだ胸に触っただけでこれでは、この先どうなってしまうのか、自分でも恐ろしい。
    (……だが、今日はダメだ。最後まではしない)
     我ながら頭がおかしいと思うが、愛する番を半裸にしているこの状況でも、浅葱は咲良を最後まで抱くつもりはなかった。もちろん、抱きたい。自分のモノを彼女の中に挿れてぐちゃぐちゃにして、彼女の一番奥に精を吐き出しながら、あの細い項に思い切り噛みついてしまいたい。
     だが、それは彼女から家族を奪うことに他ならない。
     咲良は自分の人生に喜びを与えてくれた人だ。そんな彼女から何かを奪うなんて、絶対にしたくない。
     だから浅葱は、小清水夫妻を納得させるまでは、『番契約』は、たとえ咲良が望んでいても、絶対にしない。
     それなのになぜ今彼女に触れているのかといえば、彼女の番になると決めた自分の覚悟とはどういうものなのかを思い知ってもらうためだ。
     どれほど咲良を好きだったか。どれほど咲良に触れたいと思い続けてきたか。浅葱が番犬よろしく彼女の傍に侍りながらも、どんな恋情と執着と欲望を抱えてきたのかを、咲良は知るべきだ。
     浅葱は乳首に舌を巻きつけ吸い上げながら、片手を太腿へと伸ばした。
     手のひらでロングスカートの薄い生地の上から撫で下ろしていくと、布の下で咲良が脚に力を込めるのが分かった。それを宥めるように乳首を強く吸うと、強い快感に脚元の警戒は緩んで力が抜けていく。その隙に、浅葱は艶めかしい曲線を描く両脚の間に自分の膝を捩じ込んで割り開く。
    (……ああ、スカートが邪魔だな……)
     咲良が今穿いているスカートはタイトなタイプではないが、それでも思うままに触れられるとは言い難い。脱がせてしまおう、と決めた浅葱は、ウエストへ手をかけた。幸いウエスト部分はゴム仕様だったので、浅葱はその内側のもう一枚であるタイツと一緒にずり下ろしていった。
     こういう時に、自分の腕が長いのは非常に便利だ。多少の引っ掛かりはあったが、あっさりと剥ぎ取ることができた。余計な布を取り払われ現れた柔らかな素肌から、咲良の肌の甘い匂いが立ち上る。その匂いをもっと嗅ぎたくて、浅葱は顔を下げていく。
     下乳に柔らかく歯を当て、噛んだ部分を労るように舐めながら、みぞおちを唇で撫でる。
    「ぁっ……!」
     皮膚の薄い部分は敏感なのか、触れるか触れないかという愛撫に、咲良が声をあげて身体を震わせた。その反応が愛しくて、嬉しくて、頭が焼け焦げそうだ。
     肋骨を一本一本数えるようにキスをした後、咲良の片膝に手を差し入れて持ち上げるようにして開かせた。モデルのような脚線美を描く脚は、内腿にむっちりと肉感的でふるいつきたくなるような妖しさがあり、浅葱はゴクリと唾を呑んだ。
     持ち上げた方の足を掴むと、浅葱はその甲にキスを落とす。
     ちゅ、と小さなリップ音が立ち、咲良が顔だけをこちらへ向けて困ったように言った。
    「あ、浅葱、足なんて、汚い……」
    「咲良ちゃんの身体で汚い場所なんてないよ」
     咲良の訴えを一蹴すると、浅葱は見せつけるようにして足の指を舐める。
    「んっ……!」
     親指を口に含むと、親指の爪の形を確かめるように舌でなぞる。足の指まで、咲良は甘くていい匂いがするから不思議だ。尖らせた舌先を指の間に這わせると、咲良の身体がビクンと揺れる。
    「あ、ダメ、浅葱……」
     そんな頼りない制止が効くと思っているのだろうか。
    「ダメじゃないよ、咲良ちゃん。ずっとこうしたかったんだ」
    「こ、こうしたかったって……」
    「咲良ちゃんの身体の隅々まで舐めて、齧って、全部曝きたいと思ってた。その宝石みたいな目にも、可愛い鼻にも、プルプルした唇にも、いつだって齧り付きたいと思ってたし、細い項をキスマークでいっぱいにしたかったし、いつも服で見えないおっぱいは揉みしだきたいと思ってた」
     自分の願望を赤裸々に語ると、咲良は顔を真っ赤にして両手で目を覆った。
    「あ、浅葱……! 恥ずかしいから……!」
     その初心な反応に、浅葱は思わず皮肉っぽい笑いが込み上げる。
    「このくらいで恥ずかしがってて、この先どうするの、咲良ちゃん」
    「こ、このくらい……⁉」
    「これからもっとすごいことするのに」
    「え……えぇ……」
     熟れたりんごのような上気した顔で、狼狽えたようにオロオロと目を泳がせる様子が、可愛いけど憎らしい。
     浅葱はこれまで、自分が必死で隠していた火のような欲求と欲望に気づくどころか、そんなものがあるとすら思っていない咲良を、どこかで憎らしいと思っていた。
     咲良にしてみれば、そんなものは浅葱の身勝手で理不尽な感情だ。それは十分分かっていても、気づいてさえもらえない恋情に、わずかながらも鬱憤を抱えずにはいられなかった。
    「僕が咲良ちゃんに触れるのを、どれだけ我慢してきたのか、ちゃんと思い知って」
     うっそりと笑って宣言すると、浅葱は真っ白な内腿に齧り付く。
    「ひぁっ……!」
     咲良が小さな悲鳴をあげて身をくねらせた。
     太腿の肉は柔らかく、甘く、このまま噛みちぎって咀嚼したい衝動が込み上げた。だが咲良に痛い思いなどさせられるわけがなく、仕方なくキツく吸い上げ、キスマークをつけるだけにとどめる。真っ白な雪原のような咲良の身体についた赤い鬱血痕を見ると、奇妙なほど心が満たされる自分におかしくなった。
     そのまま愛撫で内腿を這い上がっていくと、脚の付け根へと辿り着いた。
     さっき見たブラジャーとお揃いのペールブルーだ。クロッチの部分を指でツッと撫でると、薄い生地は熱を持ち、ほんのりと濃くなった色合いの部分が湿り気を帯びていた。それにゾクゾクとした悦びを覚えながら、浅葱はポツンとシルクを押し上げている小さな突起を見つけると、それに歯を当てた。
    「ぁっ⁉」
     咲良の身体が大袈裟なほどに跳ねる。
     それが嬉しくて、浅葱はその硬い蕾を舌先でクリクリと小刻みに擦り上げた。
    「ぁっ……ん、ぁっ……、あ、さ……ぅんん、それ、ダメぇ……」
     必死に堪えようとしているのか、絞り出すような咲良の嬌声が、余計に興奮を煽る。シルクから滲み出る愛液が甘い。
     ダメと言うくせに、熱を持ってじっとりと汗をかき始めているし、薄いシルクの向こうでは淫らな水音が大きくなっている。感じていることは隠しようもないのに、そんなことを言うのは羞恥心からだろうか。
    「……恥ずかしいなんて、感じてる暇なんかないようにしてあげる」
     ボソリとそう呟くと、浅葱は指でショーツを脇に寄せ中の痴態を曝け出す。
     咲良のそこは、すでにしとどに濡れていた。きれいなピンク色の花弁はまだ閉じていたが、溢れ出る愛液でテラテラと光っているのが妙に艶めかしい。恥毛は濃いめの産毛程度のものが生えているくらいで、その下に先ほどまで弄っていた真珠がぷっくりと顔を出して震えている。咲良の肌の甘い香りと甘酸っぱい愛液の匂いが混じって、浅葱の下半身を直撃する。
     生唾が込み上げ、ゴクリとそれを嚥下しながら、浅葱は人差し指と中指でゆっくりと花弁を開いた。ピチャリと粘ついた水音と共に、小さな小さな雌孔が見えて、そこに指を挿し入れた。
    「うわ、あっつ……」
     潤んだ隘路は、指が溶けてしまうのではと思うほど熱かった。みっちりと詰まった媚肉が浅葱の指を歓待するように絡みついてくる。
    (うわ、やば……めっちゃ気持ち好さそう……)
     今スラックスの中でガチガチに膨らんでいる自分のモノを、この中に突き入れるのを想像するだけで、頭が爆発しそうだ。
    (クソ、挿れたい、挿れたい、挿れたい、挿れたい……!)
     肉欲が膨れ上がり、制御を凌駕しようとするのを感じて、浅葱はグッと奥歯を噛み締める。ダメだ、ここで負けては、『番犬』以下だ。彼女の番になるならば──彼女の幸福を第一に考えられるアルファでなくてはならないのだ。
     暴れ出そうとする本能を意志の力で押さえ込み、浅葱は愛撫を再開する。熱い泥濘にもう一本指を挿入すると、咲良の感じる場所を探っていく。
    「ん、ぁあっ……浅葱、そんな、ナカ、弄らないで……」
    「解して慣らしていかないと、僕のなんか挿入らないよ」
     二本の指を交互にバタバタと動かしたり、蜜壁を引っ掻いたりするたびに、膣内の肉襞が指を締め付けるように蠕動する。腹側を指の腹でグッと押すと、咲良が小さく悲鳴をあげた。どうやらここが好きな場所のようだ。そこばかり集中的に弄っていると、愛液がとめどなく奥から溢れ出してきて、浅葱の手をぐっしょりと濡らした。
    (もったいないな……)
     単純にそう思って、浅葱は躊躇なく蜜口に舌を這わせ、溢れ出た愛液を舐め取った。濃厚な果実の汁のような甘さに目を見張る。極上の桃のように芳しい甘さだった。
    (──人間の体液がこんなに甘いなんてことがあるのか?)
     わけが分からなかったが、その疑問もすぐに欲望に押し流されていく。
     もっとその果汁を味わいたくて、指を泥濘から引き抜き、蜜口に唇を当て夢中で啜り上げた。舌を捩じ込み、直接膣壁を味わうと、その濃厚さに頭がぐらりと揺れる。もっともっと欲しいと、アルファの肉欲が叫ぶのが分かった。舌をできるだけ伸ばして隘路の奥までぐるりと舐め回しながら、蜜口の上で震える肉の真珠を鼻先でぐりぐりと刺激する。

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