別れたつもりはないイケメンドクター×彼が忘れられない奥手な司書
真面目な司書の咲良は、後輩の頼みで参加した合コンで薬を盛られそうになる。助けてくれたのは、なんと元カレの高槻。学生時代に自然消滅のようにして別れた彼は、エリート医師になっていた。「このまま一つに溶けるほど愛し抜きたい」再会した高槻は、もう逃がさないと熱愛してくる。しかし再び結ばれた二人の前に、別れる原因となった人物が現れ…!?
「痛くても、いいし、嫌なんてない。……敬真さんしかあり得ないと思っていたから。初めても、その次も、ずっと」
「煽るな、馬鹿」
真っ赤になって照れつつ、高槻が視線を逸らしたが、それも長い間ではなかった。
互いの気持ちが同じであると知った故の大胆さで男の手が伸びて、それから試すように乳房を揺らし、先ほどより慎重に、優しく膨らみを包む。
「好きだよ」
囁き、肩に埋めた顔を傾け首筋の肌を吸って言われ、咲良は嬉しさに胸を躍らせながら快感に震える。
緩やかに熟し膨らみだした乳房をやわやわと揉み、捏ねられ、最初はなにも感じなかったはずの場所がたちまちに感じる場所へと変化しだす。
じわりとした快感が熱とともに男が触れた肌から染み入り、身体の芯を疼かせる。
それはやがてうねりながら身体の中心を走り抜け、へその裏を強く収縮させる。
強い疼きが身体を震えわななかせ、息がたちまちに上がり熱を持つ。
たまらず身をくねらせれば、その反応を良しと受け取った男がますます大胆に胸の膨らみを捏ね絞り、先で色づく乳首ばかりが目立ちだす。
それが恥ずかしくて目を閉じれば、見ろと言いたげに実った果実を摘ままれて。
「ひぁっ、あ……ぁあ、あ」
人差し指と親指で挟み、捏ね、時折、悪戯に尖端を擦られると、たまらない愉悦がそこに凝縮し、同時にうなじの毛が逆立ち、ひりつく。
ほんのわずかな感触にも、身体のあちこちが反応するのに驚き戸惑いつつ、だけどやめてほしいとはまるで思えない。
どころか、もっとと身体が本能のままに跳ねだして、咲良は自分で自分がわからなくなる。
小指から人差し指と順番に乳房に絡みつけられ、きゅっと全体を絞られたあと、手の圧力で勃ち上がらせた乳嘴を親指で擦られると、全身の毛穴が開いたように身体から快感が滲みでていくのがたまらない。
どんどん気分が高まって、身体のそこここに微熱が灯り甘い疼きを呼ぶ。
そんな風に高槻が愛撫を施すたびに頭の中にいやらしいイメージが蓄積されていき、理性が徐々に失われ、代わりに性への衝動だけが満たされていく。
呼吸が上がり、獣みたいにはあはあと二人で荒い息をこぼし重ねて、それがみっともなく恥ずかしいはずなのにどうしてか止められないし、止めてほしくもない。
とっくに服を脱がされた上半身に高槻が顔を寄せ、喉から鎖骨へと小さくキスを落とすのが見え、なんだかいけないことをしている気がして目を逸らせば、彼の前髪の先が肌を撫でくすぐったさに身が跳ねる。
「んっ、ンンっ……ッ、ッ、くすぐっ、たい、です」
笑いだしたいのとは違う、ただただ肌を走る感触のむずがゆさともどかしい刺激に耐えかね訴えれば、これはどうだといわんばかりに高槻が乳房の付け根に強く吸い付いた。
「あっ……ッ、あぁあ」
ジンとした痺れが吸われた場所から肉へと響き、腹の奥にたまらない疼きが籠もる。
その反応をよしと取ったのか、高槻は乳房の付け根といわず、脇といわず、咲良の肌の柔らかい部分に吸い付いては、切ない疼痛と紅い鬱血の痕を残しては満足げに微笑む。
「……綺麗だ。咲良、とても、とても」
自分が残したキスの痕を親指で擦り消えないことを確認すると、まるで子どもみたいな仕草でそこに顔を寄せて頬ずりをする。
弱く敏感な部分の皮膚を男の髪や肌が撫でゆく感触は心地よく、咲良は深い愉悦を吐息にして空に放つ。
ささやかな愛撫に感じいっていられたのも束の間で、次の瞬間、男の指が力強く乳房を掴み寄せ、ぐっと尖端を張り出させたかと思うと、そこに唇を寄せた。
「あぁ、あ……ッ」
次になにをされるか察して視線をやれば、まるで見せつけるように高槻が淫靡に笑い、引き締まった唇を開いて口腔の鮮やかな緋色を見せつける。
ちろり――と、濡れた舌先が見えて息を詰めたと同時だった。
濡れた舌が乳首を包み、一拍遅れて震えるような熱が直接そこから肌へと塗り込められる。
「んんんぁ、あ、ああっ、あ」
異なる感触に戸惑ったのも束の間、それを快と受け取った身体がすぐに反応し咲良の背がソファの座面からわずかに浮く。
そこに素早く手を差し込み抱き寄せながらも、高槻は左右交互に乳首への愛撫を繰り返す。
ちゅば、ちゅぽっといういやらしい音が広いリビングに響く。
その音に耳孔を犯されるといやましに気分も高まって、咲良は羞恥に身を震わせ音から逃れようと背を反らす。
けれど背骨の付け根を手の平で抱き寄せられたままそうすると、ますます胸ばかりを高槻の顔に押しつけるような形になってしまう。
柔肉に挟まれ苦しくなったのか、高槻がぷはっと息継ぎながら顔を上げ、次の瞬間大きく口を開いたまま胸の膨らみにかぶりつく。
舌とそこから伝わる熱だけでも感じるのに、そこに歯が肉に沈む甘噛みの感触まで加えられて、もう頭の中がいっぱいいっぱいだ。
押しのけようと彼の短い髪に手指を絡ませてみたものの、先を読んだ高槻から尖端の付け根に軽く歯を当てられて、逆に強く抱き寄せ顔を彼の頭へと埋めてしまう。
洗い立ての髪から爽やかなグリーンノートの香りがして、ああ、高槻先輩の香りだと感じ言っていると、彼も咲良の肌から自分と同じ石鹸の香りがすることに気付いたのか、動作を止めてうっとりと息を吸っていた。
手や指だけでなく、肌が、唇が、その他すべての感覚が互いを求めている。
そうか、これがセックスか。と脳のどこかで理解しつつ彼に抱きつけば、彼もまた咲良を抱き返し、好きだと甘く囁きかける。
私も好きですと伝えたいのに、すっかり呼吸が上がりきっていては声が出づらく、代わりにもっと強く抱きつくと、うん、と高槻が仕草で頷き、咲良の背を優しく撫でる。
だけどそのうち、触れて撫で合うだけでは持たなくなって、咲良の手が高槻のうなじにかかったのと同時に彼が上体をわずかに起こし、愛撫を再開する。
背中を撫でていた大きな手が緩やかに腰を滑り、ショートパンツと肌の隙間に射し込まれる。
「腰、すっごく細いんだな」
「え」
唐突になにを言うんだろうという気持ちと、平均でしかない自分の身体に対する羞恥がない交ぜとなって心を戸惑わせ、思わず声を上げた時だった。
力強く腰が浮かされ、いつのまにか立っていた膝まで片手でぐいっとショートパンツを下ろされて、そのまま脚から抜き取られてしまう。
「っ、きゃッ……!」
悲鳴を上げた咲良に高槻は目を丸くしたが、すぐに目元を和ませ笑い続けた。
「俺のショートパンツ、片手でこんなに簡単に下ろせるなんて」
「そんな、ことで、実感しないでくださいッ……ッ」
思わず膝を身体に引き寄せ隠そうとするが、両手でぐいと押し割られ、そこに男の身体を割り込ませられてはどうにもならない。
「実感させろ。……どれだけ、必死に、咲良を探して来たか。この手に抱いているのが嘘でないか。もっと知りたいんだ」
言いながら脇から腰まで時間をかけて何度も撫で往復させつつ、高槻が笑う。
「本当、俺、咲良のなにを知っていたんだろうって思う。こうして触ってると、こんなに細くて、柔らかくて、小さくて……誰よりなにより愛おしいんだって気付くのが嬉しくて」
咲良に聞かせるというより、自分自身に言い聞かせるようにどこか熱っぽい声で言われ、肌がさらに火照り熱を持つ。
もうどこもかしこも朱を帯びていて、人より色白な肌が鮮やかな桜色に染まりきっていた。
うなじから胸へとキスを散らす一方で、高槻は手を押しつけ、その滑らかな隆起と柔らかさを知るように腹を撫でていたが、心地よさに咲良が息を詰めたのを切っ掛けに手をショーツの中へ忍び込ませた。
布がある分、他よりしっとりと汗ばんでいたそこをなぞられることは恥ずかしくもあったが、それより、彼に触れられたい、そして自分も触れたいという欲求のほうが強かった。
男のしっかりとした肩に、うなじに、喉の肌からくっきりと浮き上がる線へと指を辿らせれば、呼応するように高槻の指もへそから湿りだした恥丘へと至り、戯れに茂みを揺らしながら脚の間へと進んでいく。
割れ目の始まる部分辺りまで指をやられ息を詰めれば、それに遭わせて軽く場所を飛び、今度は尻のほうから痴裂へと人差し指が移動する。
肝心な部分を避けられたからか、期待を裏切る指の動きに呼応してひくんと自分の媚唇がわななくのを感じた。
「あっ、や……ッ、ん」
ねだるような動きをした自分が信じられなくて声を上げると、思わせぶりに指先でとんとんとその場所の周囲を弾かれ、咲良は羞恥で身震いしてしまう。
「そんな可愛い声で、やだとか言われても、聞けない」
とん、ととん、とん、と言葉ごとに節をつけて恥丘の割れ目を弾かれ身を跳ねさせれば、もっと強く弾かれ、鼓動が逸る。
だけどそれも長くなく、咲良の初々しい痴態にそそられた高槻が、ごくりと喉仏を上下させつばを呑んだ後、耳元にキスしつつ囁いた。
「触れても、いいか」
「……うん」
「その〝うん〟って言い方、反則」
はっ、と鋭く息を散らし、高槻が割れ目にあてた指に力を込め出す。
誰にも触れさせたことのない秘処が男の指で割られ、空気にさらされていく。
その未知の感覚に喉を反らすと、逃げるなといいたげに耳朶に噛みつかれ、二カ所からの刺激に声が上がる。
「あっ、あ……、ああ、あ」
初めての咲良を気遣っているのか、それとも自分の手で処女を散らすことへの惜しみなのか、気が遠くなるほどじわじわと秘裂が拓かれていくのが息苦しい。
はくはくと息を継いでその瞬間を想像し身を硬くしていたが、鍛えてもいない身体ではそう長くは持たず、咲良がだるさに力を抜いた瞬間だった。
ぐっと指が一気に進んで男を迎え入れる場所を守る花弁を割り、先だけがわずかに中へ入る。
「……濡れてる」
「え」
汗にしてはやけにぬるつくな、と思っていたものが愛液だったと気づき、顔を真っ赤にしていると、彼はまだ出始めの蜜を指先で掬っては薄い肉の花弁へ塗りつけ教える。
「ん、あ……ッ、は……ぁぁ……ぁッ、あ」
繰り返されるごとにぬめりはどんどん酷くなり、ついには震える身体から絞るように淫蜜がたらりと滴りだす。
最初は音すらなかった場所から、くちゅくちゅと、わずかに――間を置かずしてはっきりと、濡れ音が聞こえるのがいやらしい。
たまらず身震いすると、大丈夫だという風に額にキスを落とされ、そのまままぶた、鼻先、唇と来て、薄く開いた口から男の舌が中へ入り込む。
また舌が絡む。けれど最初のようなためらいはもうなく、大胆に、そして果敢かつ的確に高槻は咲良の口腔を舐め回し、感じる場所は特に執拗に舌先で攻めだす。
同時に秘筒の入口を探っていた指の動きも大胆になって、唾液とも淫汁ともつかない濡れ音がぐちゅぐちゅと恥ずかしげもなく響きだす。
それに従い曖昧だった快感がよりくっきりと輪郭を持ちだし、咲良の中で大きなうねりとなって身を急かす。
もっと、もっと知りたい。彼の欲求を、他の人には見せたことのない衝動や姿を。
同時に知らずさらけ出す。誰にも告げたことのない秘めやかな欲求と衝動を伴う痴態を高槻だけに。
他の人にはとても見せられない。他の人には絶対に見せてほしくない互いの姿に感じあう。
身をくねらせ、声を上げ、愉悦の吐息をこぼしては、鋭い快感に息を呑む。
感じ方が深まるにつれ、理性と羞恥が薄れていき、代わりに男の指が触れる場所が強く疼く。
「ああ……ぁ、あ、んん、あ」
もう抑えることが出来ないほど女の声が跳ね響き、その度に男の愛撫は勢いを増す。
蜜口を浅く辿っていただけの指は力強さと深さを増して秘裂を抉り、勢いあまって上部にある尖りを弾く。
「っ、ンッ、あっ!」
一際大きな声を上げたが早いか、その部分が、男の親指に捕らえられる。
そうして埋もれる淫核を掘り起こすようにしてコリコリと刺激される。
胸の先を弄られた時より鋭い愉悦が腹奥を穿つ。
たまらず咲良が身をのたうたすと、逃げるなと言いたげにさらなる愛撫を重ねられる。
「んっ、ひ……、あ」
一度でもたまらないほど刺激が強いのに、高槻は夢中になって咲良の媚芯に卑猥な振動を与え続ける。
女の身体の中でも一番神経が凝っている場所を攻められてはたまらない。
快感はいやましに募り、同時に、身体の奥から甘酸っぱい雌の匂いがする蜜が絶え間なく滴る。
下着はもうどうしようもないほど濡れていて、高槻の手に張り付いてはよじれ、股関節の変な部分に食い込んで擦れる。その有様にさえ感じ入り息を漏らし、でも、止めることももうできない。
いつしかするりと入り込んだ男の人差し指が、試すように入口をなぞるのに身震いし、中の感触を試すように前後に動くのに声と愛蜜を漏らす。
「ッ、は……」
咲良の内部の柔らかさと熱を感じ、ついに制御しきれなくなったのか、高槻が初めて艶声を漏らした。
そのことにゾクゾクするほどの愉悦を感じ、女の部分がもっともっととねだりだす。
自分の乱れようもひどいが、高槻もいつもよりかなり乱れていて、前髪はもう完全に額におちかかっている。
汗が浮いた部分にTシャツが張り付きうっすらと筋肉が見えるのが色っぽい。
触れる肌から伝わる筋肉の動きも魅惑的で、もっとと指に力を込めれば相手も、咲良を穿つ指を奥へと進める。