過去の恋愛から男性不信に陥った秘書の姫花は、あるパーティで危機を救ってくれた社長の晃生と、酒の勢いでベッドインしてしまう。なぜかそれ以来、晃生の激しいアプローチが始まり結婚前提の同居生活を送ることに! 身体の相性はバッチリで、蜜で包み込まれるようなトロトロ甘々の毎日だったが、そんな時、晃生の姉が赤ん坊を預けてきて――!?
「二人きりの時は、今みたいに呼ばせてもらうよ。姫花も〝社長〟じゃなくて〝晃生〟って呼んでほしいな。いい?」
「はい。……あ……晃生……さん」
「いいね。恋人って感じがする。慣れてきたら呼び捨てで呼んでほしいな」
白い歯を見せて笑うと、晃生がスポーツ用ジャケットのジッパーを下ろし、中に着ていたTシャツとともに床に脱ぎ捨てる。彼の手がランニングパンツの腰にかかった。
姫花はあらわになった晃生の上体に見入りながら、ほうっと感嘆のため息をつく。
「そういえば、君が筋肉フェチだったとは知らなかったな。それなら、ますます気合を入れて身体づくりに励まないとな」
いたずらっぽい顔でそう言われ、姫花はますます恥じ入って唇を固く結んだ。けれど、閉じた唇の隙間に舌を這わされ、即座に口元が緩む。そのまま長いキスをされ、だんだんと息が荒くなる。
唇だけではなく、もっと違う場所も触れてもらいたい……。
そんな想いに囚われた姫花は、そうと意識しないまま晃生の背中に指を食い込ませた。
「もうキスだけじゃ物足りない?」
甘く囁くように聞かれて、つい素直に頷いてしまった。晃生が姫花の手を取り、ワンピースの裾を持つよう促してくる。
「自分で脱いでごらん。君がそうするのを見てみたいんだ。お願いを聞いてくれるかな?」
晃生が言いながら、改めて姫花と視線を合わせてくる。期待を込めた目で見つめられて、彼の願いを聞いてあげたいという思いに駆られた。
晃生が着ているものをすべて脱ぎ捨てて、全裸になる。
姫花は、おずおずとワンピースの裾をたくし上げると、晃生に見つめられながらそれを脱いでカウンターの脇に置いた。今になって普段使いの地味な下着をつけているのを後悔したが、彼はまるで気にしていない様子で姫花を見つめ続けている。
とんでもなく、恥ずかしい。それと同時に、これから先に起こるであろうことを予測して息が乱れてくる。
晃生が姫花に口づけながら、ブラジャーのホックを外した。ストラップが肩から落ち、乳房があらわになる。彼の掌が右胸を覆い、そっと捏ねるように揉み始める。
「ぁんっ!」
先端を指先で摘ままれ、小さく声が漏れる。ためらいながらショーツの腰に指をかけ、僅かに腰を浮かせた。すると、晃生が腰をかがめて左胸に吸い付いてきた。
「ああんっ! 晃生さんっ……あっ……ああっ!」
乳嘴を甘噛みされ、仰け反った拍子に身体が大きくうしろに倒れた。あやうく頭を天板に打ち付けそうになるも、すぐに上体を抱き寄せられてことなきを得る。
そのままカウンターの上に仰向けに寝かせられ、そっと腰を引き寄せられた。天板の冷たさを感じるも、身体が熱く火照っているせいかまったく気にならない。晃生の手を借りながらショーツを脱ぎ、生まれたままの姿になった。
「姫花、好きだ……。好きで好きでたまらないよ」
晃生が姫花の閉じた膝を割り、太ももを左右の腕に抱え上げた。そして、膝を曲げた格好のままそれぞれの踵をカウンターの縁に置く。
大きく脚を開いている今、秘所は晃生に丸見えになっている。これほどいやらしい格好をしているのに、もうすでに彼を欲する気持ちが恥ずかしさを凌駕していた。
「姫花、改めて言うよ。――僕は君を心から大切に想っている。僕と結婚して、一生そばにいてほしい。これは僕からの正式なプロポーズだ。受けてくれるかな?」
開いた脚の間で、晃生のものが熱く猛るのを感じる。秘裂に押し当てられた茎幹が、ビクンと力強く跳ね上がった。こんなタイミングではあるが、彼の真摯な想いが全身に伝わってくる。
両想いの人と結ばれて結婚できるなんて、これ以上の幸せはない。
姫花は喜びに目を潤ませながら、何度となく頷いた。
「もちろんです。……すごく、嬉しい……でも、本当に、私でいいんですか?」
「姫花じゃなきゃダメなんだ。僕が妻にしたいと思うのは、多岐川姫花ただ一人だ」
上から覆いかぶさってきた彼と唇を合わせ、それまでにないほど熱いキスを交わす。
彼の腰が前に進み、先端の硬い括れが、花芽を緩く引っ掻く。もうすでに蜜にまみれたそれが、ぬらぬらとぬめりながら秘裂を擦り上げた。
「このまま挿れても構わないか?」
それはつまり、避妊具なしで挿入をするということだ。彼が直に自分の中に入ってくると思うと、嬉しさで胸がいっぱいになる。
「か……構いませ……ん、ぁっ! ああああっ!」
ぬちゅっと音が立ち、そのすぐあとに切っ先をずぶりとねじ込まれた。視線が合ったまま、ゆるゆると腰を振られ、あまりの快楽にカウンターに寝そべりながら身もだえする。
「ゃああんっ! あんっ……あ、んっ……あふ……」
左乳房に舌を這わされ、頭の中が淫らな想いでいっぱいになる。両方の膝をグッと押し上げられ、いっそう挿入が深くなった。
「中……すごく熱い……最高に気持ちいいよ。姫花、愛してる。君を心から愛してるよ」
まるで自身の形を刻み込むように中を押し広げられ、何度となく切っ先で最奥を愛でられる。
姫花は晃生と交わっている悦びに浸りつつも、目を瞬かせて自分を見る彼の目を見つめ返した。
「い、今……なんて……? あっ……あああっ!」
晃生が激しく腰をグラインドさせた。ズンズンと奥を突く屹立が、蜜窟の中をまんべんなく愛撫する。我を忘れるほど強い快楽に囚われ、姫花は身を捩りながら背中を仰け反らせた。
「君を心から愛してる、と言ったんだ。姫花が愛おしくてたまらない……。そうじゃなきゃ、これほど気持ちがいいはずがないだろう? 愛してるよ、姫花……君の奥に、たっぷりと僕の精を注ぎ込みたい。何度も、何度でもだ……」
低くセクシーな声でそんなことを言われ、全身がカッと熱くなる。ただでさえ感じているのに、心まで甘く揺さぶられて、今にも達しそうになってしまう。
わなわなと震える唇にキスをされ、腫れた花芽を親指の腹でそっと撫でられる。
「ぁんっ! ……晃生さ……も……ダメ……イッちゃうっ……」
「まだ挿れてから少ししか経ってないのに、もうイクのか? 可愛いな、姫花……大好きだよ。じゃあ、一緒に――」
「あっ……ああああんっ!」
晃生の腰の動きが速くなり、最初抱かれた時に見つけられた〝いいところ〟を何度となく突かれる。込み上げてくる快感に天地がわからなくなり、必死になって晃生の背中にしがみつく。
なおも激しく動く彼に振り落とされまいとして、姫花は両脚を彼の腰に絡めた。
すると、身体が彼の動きに連動して、挿入がより深くなる。まるで振り子のように身体を大きく揺さぶられ、もう声を出すことすらできない。
見つめ合いキスを交わしながら、さらに腰を振られてギリギリまで追いつめられる。
姫花は声にならない叫び声を上げて、一気に絶頂まで昇り詰めた。
痺れるような愉悦が全身を満たし、蜜窟がギュッと窄まる。晃生が低く呻くと同時に、切っ先が姫花の中でたくさんの熱い精を放った。
(晃生さんの……私の中に、いっぱい……)
自分の身体が、それを嬉々として受け入れるのがわかる。
晃生と愛を確かめ合い、その上でひとつになって二人して絶頂の時を迎えた。一度は諦めた恋心が胸に迫り、姫花は口づけてくる晃生の顔を見て思わず涙ぐんだ。
「晃生さんとこんなふうになれるなんて、夢みたいです……」
そう呟いた唇に、晃生が微笑みながらキスをする。
「僕もそう感じてるよ。僕の人生の中で、君のように心から愛し合える女性が現れるとは思ってもみなかった」
「私も……。はじめてです、こんなに、全力で誰かを愛せるのって……」
「それと、こんなに全力で愛されるのも?」
「はい」
「そうか。君とこんなふうになれて嬉しいよ。……だけど、まだ愛し足りない。せっかく脱いだんだし、このまま一緒に風呂に入ろうか」
そう言うなり、晃生が姫花の背中と膝裏を両腕に抱え込んだ。
「え? え……きゃっ!」
驚いてあたふたしている間に、晃生が姫花を横抱きにしたままキッチンから出てバスルームに向かって歩いていく。その動作には無駄がなくスマートで、いかにも手慣れているといった感じだ。
「さあ、着いた」
シャワーヘッドの下で下ろされ、ちょうどいい温度の湯を肩にかけてもらう。足元から立ち上る湯気が、まだ火照っている裸の身体を包み込む。そのおかげで、恥ずかしさも少しだけ和らいでいる。けれど、すぐ横の壁に埋め込まれた縦長の鏡には、全裸でイチャついている自分達がはっきりと映っていた。姫花は急に恥ずかしくなり、もじもじとつま先をすり合わせた。
「洗ってあげるから、じっとしていてくれるかな?」
姫花が頷くと、晃生がどこからか取り出したヘアクリップで髪の毛を手際よく留めてくれた。
「もっとも、もしそうできたら――だけどね」
棚に置かれたバスソープを掌で泡立てると、晃生が姫花を鏡の前に立たせた。そして、ふわふわの泡を姫花のデコルテにたっぷりと載せて、にこやかに微笑む。
滑り下りてくる泡を掌にすくうと、晃生が姫花の乳房を丁寧に洗い始めた。大きな円を描くように動く彼の手が、乳嘴を繰り返し刺激する。
「や、ぁんっ……! ふぁっ……ぁんっ……」
途端に身体のあちこちに火が点き、まともに立っていられなくなる。じっとしているなんて、到底無理だ。姫花は早々に降参して鏡にもたれかかり、息を弾ませながら晃生を見た。
「その上目遣いの視線……いいね。色っぽくてゾクゾクするよ」
シャワーヘッドの向きが変わり、ミスト状になった湯が姫花の身体に降り注ぐ。泡が流れ落ち、淡い桜色をしたバストトップが晃生の目の前に晒された。
普段は柔らかで、ふっくらとしている胸の先が、今はツンと固く尖っている。
姫花の目の前で、晃生が乳房を下から押し上げるようにしてそっと掴んだ。そして、まるでソフトクリームを食べる時のように先端をペロペロと舐め始める。
「あっ……やぁんっ……」
恥じらいの声が漏れ、息が乱れる。呼吸をする度に胸が大きく上下し、そうするつもりもないのに乳房を晃生の口に押し付けているみたいになった。
「もっと強く舐めてほしいのかな?」
チラリと視線を上に向けた晃生が、ニッと笑う。端正な顔に浮かぶ表情がこの上なくエロティックで、姫花は無意識に頷いて彼の顔を見つめた。
「いいよ。姫花は僕が思っていたよりも、ずっといやらしくてエッチな女性だったんだな」
晃生がゆったりと微笑み、これ見よがしに舌先で乳房を舐め回す。
「ち、違っ……あ、んっ……そ……そんなこと……」
否定の言葉を聞こうともせずに、晃生が乳房の先にカプリとかぶりつく。先端を舌で捏ね、チュウチュウと音を立てて吸って、姫花の恥じらいを助長させる。
晃生とのセックスは、どうしてこうも淫らで甘美なのだろう?
頭のてっぺんからつま先まで彼の愛撫に踊らされ、底知れぬ官能の海に落ちていく感覚――。
彼と交わっていると、尽きることのない悦びを感じ心まで満たされる。もっとほしくなるし、いっそすべて奪われてめちゃくちゃにされてしまいたいとすら思う。
晃生になら、何をされても構わない。
そんな劣情に囚われながら乳房をねぶられ、姫花は嬉しさのあまり彼の頭を腕に抱え喘いだ。
「ふむ……胸は姫花の〝いいところ〟のひとつみたいだね。柔らかで清楚だけど、ちょっと愛撫するだけで、ほら……乳嘴がこんなに硬くなってコリコリしてる」
「ひっ……!」
指の間に乳嘴を挟み込まれ、そこをキュッとねじられる。
思わず鏡から背中が浮き、晃生に支えられたまま身体が反転する。彼に背を向けて鏡に手をつくと同時に、背後からそっと抱き寄せられた。右の乳房を左掌で緩く揉まれ、ぷっくりと腫れ上がった花芽を右手の指先に囚われる。
「女性のここは、発生学的には男性のペニスに相当する。敏感で性的に興奮すると今みたいに硬く勃起するんだ。姫花は、すこぶる感度がいい。だけど、これほどだとは思わなかったな。ほら……いつの間にここをこんなにしてたのかな?」
「あっあ、あっ……ああんっ!」
突端を指の腹で優しく押し潰され、中にある花芯を執拗にいたぶられる。同時に違う場所を弄られ、その度に身体の中に稲妻が走ったようになった。
晃生はといえば、鏡に映る姫花の顔をじっと見つめながら、こちらの反応を楽しんでいる。
真面目で温厚な晃生に、こんな面があったなんて……。
知れば知るほど彼という人に惹き込まれ、自分の隠れた一面を発見して驚愕する。事実、晃生の視線に晒されながらの愛撫は、姫花の心の奥底にあった性的な被虐心を呼び覚ましたようだった。
そうと知ってか、晃生は身もだえする姫花を見て、満足そうに微笑みを浮かべている。
「姫花は僕が知る誰よりも真面目で理性的な女性だ。白百合のように凛とした美しさもあるし、とても強い。それなのに、こんなに淫らに感じて僕を惑わせるなんて……。こうなったら、もっともっと感じさせてあげないといけないな」
花芽を愛でているのとは別の指が、蜜窟の前庭を蛇行する。今にも中に入りそうで入らない。じれったさに頬が焼け、そうしようと思わないのに蜜窟の入口がもの欲しそうにヒクヒクと戦慄く。
「晃生さんっ……。指……あっ、あああっ!」
湧き起こる愉悦を感じて、膝がガクガクと震え、何度となくあられもない声を上げる。
気がつけば、晃生が床にへたり込んでいる姫花の双臀を撫で、ゆっくりと捏ね回していた。
姫花は、そうと意識しないまま腰を浮かせ体重を前に移動させる。腰を引き上げられ、彼に背を向けた状態で四つん這いの姿勢になった。
「指を挿れてほしいのかな? たとえば、こんなふうに」
晃生の人差し指と中指が、ツプンと蜜窟の中に入る。二本の指の腹が、奥の上壁をクニクニと捏ね回す。
感じるところを的確に刺激され、姫花は我知らず背中をしならせて腰を高く上げた。
「ぁああっ……あ、ふぅ……あっ……あっ……」
「可愛い啼き声だね。もっと聞かせてもらうには、どうしたらいいかな」
晃生が呟き、空いているほうの手で姫花のヒップラインをなぞった。それだけで期待で胸がはちきれんばかりになり、そうしようと思わないのに腰がクネクネと動く。
双臀から太ももの付け根に下りた彼の手が、内腿をまさぐる。そして、ふいに左右の尻肉を掌で外側に押し開いた。