アメリカ本社から研修にきている〝夏目くん〟は、明るく社交的でみんなの人気者。なのに、なぜか万智にだけは塩対応で内心ショックを受けていた。夏目と親睦を深めるために飲みに誘ったのはいいけれど、気付けば裸で夏目と一緒にベッドの中!?「泊まっていってください。俺が今から襲うんで」巧みな愛撫に蕩かされ、何度も絶頂を迎える万智だけど…!?
「夏目くん、待って、私……」
彼は私につかまれた自分の右腕を見て、それから私に視線を移す。
「なんですか、俺は万智さんのことが好きだから、こんな場所で引き止められたら勘違いしますよ」
「勘違いじゃ……ない」
夏目くんは目蓋を閉じて一つ大きく深呼吸する。目を開けると今度は怒ったような顔で私を見つめた。
「ハッキリ言うと、俺はすでに勃たせてるし今すぐにでもあなたに襲いかかりたいと思ってます。たとえ同情だとしても、あなたが抱かせてくれるのなら構わないって思うくらいには欲情してるんですよ。それでも軽蔑だけはされたくないから必死で耐えてるのに……ほんと、勘弁して」
彼は唇を震わせながら掠れた声を振り絞る。
その姿に、切なさとか愛しさとか申し訳なさとか、いろんな感情がごちゃ混ぜになって押し寄せて、あっというまに心の壁が決壊した。
「勘違いでも同情でもない……私はちゃんと夏目くんのことが好きだし、抱かれたいなって、思ったし……」
「ちょっ、万智さん、どうして涙……。えっ、ごめっ、俺の言い方がキツかった……」
「夏目くんは、悪くない……わっ、私が夏目ぐんを、不安にさせだがら〜!」
「ああっ、万智さん、鼻をかんで!」
彼は私をベッドに座らせると、ティッシュを重ねて私の顔に押しつける。
私はそれで涙と鼻水を拭い、またティッシュを受け取っては鼻をかみを繰り返し、合間に何度も「ごめん」と呟いた。
その間、夏目くんはずっと私の背中をさすり続け、心配そうに顔をのぞきこんでいる。
──ううっ、情けない。
どうやら私は夏目くんの前でだけは泣き虫になるらしい。
それはきっと、彼自身が自分の気持ちを正直に伝えてくれているから。
そして、彼ならどんな恥ずかしい私でも受け止めてくれるだろうという安心感があるからだと思う。
だから私もついつい心のガードを緩めてしまうのだ。
「……ねえ、私もダサいことを言っていい?」
感情の波が落ち着いた頃、私はティッシュを目尻にあてながら聞いてみる。
「いいよ、なんでも言って」
私は恋愛においては受け身の人間だ。正直言えばこういうことを自分から口にするのは恥ずかしい。
けれど私の肩を抱いてふわりと微笑むこの人に、ちゃんと気持ちを伝えたいなと思うから……。
「本当は今日ここに来る前にシャワーを浴びてきた。河合くんに悪いと思っているくせに、夏目くんに抱かれることを想像してた」
彼から求めてくれることを期待していたくせに、自分にはその気がないようなフリをしていただけ。
「私だってじゅうぶんダサくてカッコ悪くて……いやらしい」
いたたまれずに首まで熱い。うつむいて彼の返事をじっと待つ。
「万智さん……こっちを向いて」
優しい声音で呼びかけながら、顎をツイと持ち上げられた。
目の前には満足げな微笑みがある。
まつ毛を伏せた綺麗な顔が近づいて、柔らかい唇が重なった。舌を絡め合ったままゆっくりベッドに倒れこむ。
「万智さん、嬉しいです。もっといやらしくなって」
「夏目く……んっ、は……っ」
粘着質な音を立てながら、息が苦しくなるまでキスをする。このまま彼に身を任せてしまいそうになるけれど……。
──でも、今日は。
唇が離れたタイミングで私が起き上がると、夏目くんは「えっ」と驚きの表情で固まった。
戸惑う彼をそのままベッドに押し倒し、私は脚の間に陣取る。
ベルトに手をかけたところで「ちょっ、ちょっと!」と夏目くんが私の手を止めた。
「万智さん、何を!?」
「私が夏目くんのを舐める」
「えっ!」
「いつもあなたがしてくれていることを、今日は私がしようと思って」
私の意図を察したらしく、夏目くんの目が大きく見開かれた。
「俺のを……万智さんが?」
「うん。ごめんね、私の最初の恋人も初めての相手も夏目くんじゃなくて。けれど、自分からエッチをせがむのも、自分から舐めたいって言うのも今日がはじめてだよ」
これで少しでも私の気持ちが伝わるといいんだけど……と告げた途端に、夏目くんは天を仰ぐ。両手で顔を覆っても、耳まで真っ赤なのは隠せていない。
「伝わりました……めちゃくちゃ、嬉しいです」
「よかった。慣れてないから下手だけど、気持ちよくできるよう頑張るから」
宣言してから改めて目線を落とせば、彼のチノパンは前が大きく張り出しており、見るからに苦しそうだ。
ベルトを抜き取りファスナーを下げる。隙間から見える濃紺のボクサーパンツにはすでにシミができていた。思いきってチノパンと一緒に引き下ろすと、彼の立派な屹立がブルンと飛び出してきた。
──うわっ、やっぱり大きい!
その獰猛さに一瞬たじろいだものの、彼のモノを愛でたい気持ちが上回る。髪をかきあげてから右手で根元を握りしめた。
「うっ、はぁっ……」
頭上から色っぽい声が聞こえると、同時に手の中で彼のモノがピクンと跳ねる。それだけで私の下半身も疼きだす。
先端から滲む汁を舌先で舐めると再び彼が声を漏らす。嬉しくなってカリまで口に含んだ。夏目くんの腰が跳ね、口の中で漲りが大きくなる。
顎が痛くなるほどのボリュームに、こんなモノを自分のナカに迎え入れていたのかと改めて驚かされた。
口と右手で同時に扱けば、あっというまに怒張していく。顔を上下に動かしながら左手で彼の双玉を揉み上げた。
「あっ、万智さ……っ、もうっ」
夏目くんの声に余裕がなくなっている。
フィニッシュとばかりに右手を速めると、彼が私の頭を押さえつけ、口内に熱が飛び散った。コクリと飲み干して顔を上げると、こちらを見下ろす潤んだ瞳と視線が交わる。
「万智さん、俺のを飲んだの?」
「うん、コレを飲んだのもはじめて」
夏目くんが私を引き上げ抱きしめる。
「今日は万智さんのはじめてをいっぱいもらえて、めちゃくちゃ嬉しいです。感動で涙が出そう」
「ふふっ、泣いてもいいよ」
「いや、ここからは俺が万智さんを啼かせたいので」
「えっ?」
言うが早いか体勢が変わり、あっというまに組み敷かれてしまう。
「今度は俺が気持ちよくしてあげますね」
脚を大きく開かれて、彼の頭がゆっくりと沈んでいく。
「ここ、もうこんなにトロトロじゃないですか。俺のを舐めながら自分も感じちゃってたんですか?」
「んっ、やぁっ」
生温かい舌に中心を舐め上げられて、鼻にかかった声が出た。いきなり攻守逆転だ。
「本当だ、石鹸の匂いがする。俺に抱かれたくてナカまで綺麗に洗ってきたんですか? あなたの液と混ざっていやらしい香りになってますよ。エッチですね」
クスッと笑われると息が吹きかかる。
たったそれだけなのにアソコがヒクついて仕方がない。お腹の中がジンジンする。この疼きを早く鎮めてほしい。
「やだっ、早く触ってぇ」
「舐めてほしいの?」
「いっぱい舐めて、早くイかせて、お願い!」
涙声で懇願した直後、割れ目を猛スピードで舐められた。ジュッ、ジュルッと水っぽい音を立てながら、彼の舌が愛液を絡め取っていく。
子宮がキュンと収縮し、内壁がうごめく。快感の波はすぐそこまで来ているのに、最後の一線を越えることができない。
「凄い、まだ触れてもいないのにクリがプックリと勃ってきましたよ。ここも触ってほしいですか?」
「うん……早く……っ」
あとは声にならずにコクコクとうなずく。
「もう剥いちゃいますね」
指で包皮を引き下ろすと、ピンクの尖りが顔を出す。そこに勢いよく吸いつかれた。チューッと高い音がして、一点だけが熱くなる。
「ああーーっ! やぁっ、ああっ!」
苦しいのに気持ちいい。
やめてほしいのに続けてほしい。
足先に力を入れて必死に刺激を逃す。
それでも剥き出しのソコを責められればあっけなくて、花芯をペロペロと高速で転がされた途端、私は腰を浮かせて達してしまった。
それからすぐに夏目くんが挿入ってきたのは覚えているけれど。
あとはひたすら嬌声をあげ続け、もう何度目かもわからない絶頂を迎えた直後、私は意識を手放したのだった。