母子家庭育ちの亜衣にとって不倫は忌むべき行為。なのに上司との不倫を捏造され職を失ってしまう。次の仕事が見つからず途方に暮れていたところ、同級生の尊仁と偶然再会。「好きだと言わず後悔していた。恋人になってくれるか?」真摯に告げる彼と一夜を共に……。しかし翌朝、亜衣の目に飛び込んできたのは、彼の左手薬指に光る結婚指輪で……!?
「あっ、ん……」
自分の口から漏れた声があまりに淫靡で、亜衣は唇をぎゅっと引き結んだ。唇を噛んでいないと、おかしな声が引っ切りなしに出そうになる。
尊仁の指は硬くなった乳嘴を弾くようにますます淫らな動きを見せる。キャミソールを押し上げるほどに乳首はつんと勃ち上がっている。
「や……あっ、だめ……あんまり、しちゃ、やだ」
亜衣が泣きそうな声を漏らすと、尊仁はふたたび案じるように指の動きを止めた。
「ここ嫌か?」
「そこ、触られると、声……出ちゃうの。だから、あんまり……しないで」
羞恥に耐えながら言うと、噛みしめた唇に触れられる。
「恥ずかしい?」
亜衣は素直に頷いた。
好きな人にこんなあられもない声を聞かれるなんて、恥ずかしくて堪らない。できればずっと口を閉じていたかったけれど、尊仁に触られるとおかしくなって、吐息のような声が我慢していても漏れてしまう。
「俺しか見てないし、亜衣の声は、俺しか聞いてない」
「久保くんだから、恥ずかしいの」
そう言うと、尊仁が小さく笑った。
初めての女を相手にするのは面倒だろうに、彼は亜衣のペースでと思っているのか、手を止めて聞いてくる。そこには少しも厭う様子はない。
「俺だから?」
「うん」
「俺は……亜衣がもっと気持ち良くなってるところが見たいし、声も聞きたい」
「でも」
「ほかの誰も知らないんだろ? これからも俺だけに見せて。可愛いとは思っても、変だなんて絶対に思わないから」
宥めるような口づけが贈られて、亜衣は強張っていた身体から力を抜いた。すると、スカートが捲り上げられてショーツが足から引き抜かれる。
「や……なにっ?」
「もっと気持ち良くなれば、恥ずかしいのもなくなるかな、と」
尊仁はそう言うと、亜衣の足の間に顔を近づけてくる。
太ももを押さえられ、閉じることもできない。尊仁に力で適うはずもなく、ほかの誰にも見せたことのない部分を彼に晒している状態だ。
そしてまさかと思う間もなく、熱い舌で秘所を舐め上げられて、亜衣は背中を震わせた。
「ひゃっ、あ……やだ……っ」
ちゅっと淫猥な音を立てて秘裂に口づけられたような感覚がする。閉じた陰唇の谷間に沿って、ぬめる舌を上下に動かされた。
「あぁっ、んっ、そ、んなこと……舐めちゃ、あぁぁっ」
狂おしいほどの快感が突き抜けてきて、声を我慢するどころではない。開いた膝ががくがくと震えて、舌が動かされるたびに身体の中心からなにかが溢れだしそうになってくる。
今まで知る由もなかった手段で快楽を教え込まれ、無垢な身体はあっという間に昂る。
「やっ、なんか……変になる……っ、やだぁっ」
下肢からくちゅ、ぬちゅっと卑猥な音が聞こえる。それがよけいに恥ずかしくて、亜衣は髪を振り乱して身悶えた。頭を振ったところで快感がなくなるわけではなかったが、そうせずにはいられなかったのだ。
「嫌でももう止められない、ごめんな」
嫌なわけじゃない。そう思っても、口から出るのは喘ぐような声ばかりで、自分の本心は伝えられない。
「はぁ、あぁぁっ、だめっ、あんっ」
気持ち良過ぎて、意識が遠のきそうになる。
舌でぬるぬると秘裂を擦られると、どうしようもないほど心地良くて、思うままに腰をくねらせてしまう。中心からとろりとなにかが溢れてきて、それを美味しそうにちゅるりと啜られる。
恥ずかしいのに、恥ずかしいとも思えなくなって、亜衣はいつの間にか彼の髪に指を差し入れ、腰を振り乱していた。
「ん、あぁ、あぁあっ、も……はぁ、はっ」
だめだと思うのに、波のように迫る快感に抗えない。
どうにかなってしまいそうで、尊仁の髪をくしゃくしゃに乱しては、彼の口に押しつけるようにして腰を浮き上がらせる。
「よかった。ちゃんと濡れてきた」
尊仁は蜜口に息を吹きかけるように囁くと、腕を伸ばしてキャミソールの中に手を忍ばせてきた。そして尖った乳首を爪弾かれる。秘裂を舌でなぞられて、同時に乳首を弄られると、狂おしいほどの快感が脳天を突き上げる。
「胸……触っちゃ……あぁっ」
くにくにと乳嘴を捏ねられ、痛くない程度の力で引っ張り上げられる。
蜜口は彼の唾液だけではなく、溢れた愛液でぐっしょりと濡れそぼっていた。ぼんやりとした頭で尊仁の声を聞いていた亜衣には、恥ずかしいと思う余裕さえすでにない。
「はぁ、あぁっ、あ、あんっ」
舌の動きはますます激しさを増して、次から次へと溢れてくる愛液を美味しそうに啜り上げられる。甘いだけの快感はただただ気持ち良くて、彼の舌の動きに合わせるようにして自ら腰を揺らすのを止められない。
「もっと見たい。亜衣が気持ち良くなってるところ」
「やっ、ん」
くすっと小さく笑い声が聞こえて、乳嘴を摘まみながら手のひらで乳房を上下に揺らされる。胸からも焼きつくような強烈な快感が湧き起こり、びくびくと身体が震える。
「あぁ、あぁぁっ」
すると、陰唇を舐め上げていた舌先が、恥毛をくすぐるように動き隠れた花芽を露わにする。
「ひ、あっ」
そこをくりくりと舌先で突かれ、亜衣は背中を波打たせて甲高い声を上げた。びくりと震えた腰を押さえられ、さらにそこばかりを弄られる。
「だめっ、ひぁあぁぁっ!」
尊仁の顔に押しつけるように腰が浮き上がる。自分では止めようと思っても止められない。がくがくと腰を震わせて、悲鳴のような声が漏れでる。
怖いくらいに気持ち良くて、どうにかなってしまいそうだ。
陰唇を舐められる快感がわずかに思えるほど凄絶な心地良さに全身が火照って、どうすることもできない。
「初めはすごく狭いっていうから、痛くないように拡げるよ……力、抜いて」
言葉の意味を理解する前に、尊仁の指先がゆっくりと中へと入り込んできて、舌の動きと合わせるようにして動かされる。
「あっ……ん、やっ、一緒にしちゃ」
下肢からは引っ切りなしにぬちゅ、くちゅんと耳を塞ぎたいほどの淫音が聞こえてくる。頭の先からつま先まで快感に支配されているようだ。
指の腹で蜜口の浅い部分を擦られると、くすぐったいような、心地いいような感覚がしてきて、じっとしていられなくなる。立てた膝が揺れて、かかとでシーツを何度も蹴ってしまう。
「足、痛むようだったら言えよ」
尊仁に言われるまで、足の痛みを忘れていた。亜衣が軽く首を縦に振ると、動けないように腰を掴まれ、狭い媚肉を指でかき混ぜられる。
「気持ちいい?」
「わかんな……っ」
亜衣は首を横に振りながら、涙に濡れた目を向けた。
気持ちいいのに、なぜか苦しい。
指で柔襞を弄られるたびに、下腹部の奥がきゅんっと疼いて、堪らなくなる。物足りなくて、けれどそれをどう言葉にしていいかわからない。
「あぁ、足りないのか。もっとしてほしい?」
訳もわからずこくこくと頷くと、蜜襞をかき混ぜていた指が一度引き抜かれて、ふたたび押し込まれる。
「ひ、あっ」
「今、二本の指が入ってる。わかるか?」
指を増やされても、先ほどよりも強い圧迫感があるものの痛みはなかった。
それどころか、膣内を埋め尽くす尊仁の指が動かされるたびに、肌が粟立つほどの快感が突き抜けてきて全身が熱くなる。
「痛くはないな?」
優しく丁寧に身体を開かされるのが、もどかしくもあり、嬉しくもある。初めてだとは伝えたが、痛いのは当たり前だと思っていたから。
好きな人に触れられることが、こんなにも気持ちがいいとは思ってもみなかった。
「ん、気持ち、い……っ、指……」
艶めかしく喘ぎながら、彼の髪をくしゃりと混ぜる。
尊仁は髪が崩れるのも構わずに、徐々に指を深い部分まで押し込んでくる。指の腹で襞を擦られると、背中が震えるほどに感じてしまい、新たな愛液が溢れて彼の手を濡らしていく。
「もっと気持ち良くなって」
足の間から聞こえる尊仁の声は、亜衣の痴態に興奮しているのか、ひどく掠れていた。
指が胎内でバラバラに動かされて、ぬちぬちと卑猥な音を立てながら抜き差しされる。同時に、流れでる愛液を啜りとりながら、濡れた花芽に口づけられた。
「はぁ……ひ、あっ、あんっ」
彼の口に押しつけているような体勢で、がくがくと腰が浮き上がってしまう。涙のせいか視界が滲んで、目の前にもやがかかっているようだ。
「あぁぁっ、あ、一緒……だめっ、おかしく、なるっ」
頭の奥が痺れて、口を開けば喘ぎ声しか出てこない。指で弄られているところよりももっと奥がむずむずして、無意識に腰をくねらせ尊仁の指を締めつける。
けれど、湧き上がる焦燥感はなくなってはくれず、自分でもどうしていいかわからなかった。
「おかしくなっていい。もっと感じて」
「や、なの……怖いっ」
頭を左右に振るが、尊仁の舌の動きはますます激しさを増していく。
ぴんと尖った花芽を下から上に扱くように舐め上げられて、じわっと大量の愛液が噴きだした。シーツがびっしょりと濡れていくのを感じると、消え入りたいほどに恥ずかしくなる。
彼の舌と指から逃げるように身悶えるが、両腕で抱えるようにして腰を掴まれていては身動きも取れない。
「なん、か……変になる、からぁっ……お、ねがいっ、も」
頭を振って、もう無理だと伝えるものの、舌の動きはますます淫らさを増していく。恥毛に鼻を埋めるようにして陰唇ごと貪られて、尖った花芽を強く啜られた。
唾液を絡ませた舌先で淫芽を下から上へとつぅっと舐め上げられるだけで、はしたなく蜜が溢れシーツを濡らす。
どうすればこの快感が終わるのか。早くどうにかしてほしい。
亜衣の頭の中にはそれしかなかった。
「もう達きたい?」
もどかしくて堪らず、亜衣は必死に首を縦に振る。
涙に濡れた目をそっと開けて、足の間に埋まる彼を見つめる。ぼやける視界の中で熱に浮かされたような瞳がそこにあった。
尊仁の赤い舌が動く様はひどくいやらしいのに、自分の身体を愛してくれているのだと思うと幸せでもある。
恥ずかしいのは嫌だ。けれど尊仁だから許せる。彼以外の誰にもこんな姿は見せたくない。彼だからだ。強くそう思った。
「こうするのは気持ちいい?」
尊仁は確認するようにそう言って、指の腹で陰核の裏側を擦り上げてくる。そして口に含んだ花芽をちゅるっと啜り上げながら唇で扱かれた。
「はっ、あ、あっ……だめ、それ……あぁあっ」
強い刺激に目の前がチカチカして、視界が真っ白に染まる。亜衣は尊仁の頭を掴みながら、背中を弓なりにしならせた。
「ひっ、あぁっ」
目を瞑ると、どこか深いところに落ちていくような感覚に陥る。もうだめだと背中を仰け反らせた瞬間、身体の中心が焼けつくように熱くなり、痛いほどに媚肉が収縮する。
「も、ん……あっ、だめ──っ、あぁぁぁっ!」
淫らに蠢く蜜襞が彼の指を強く締めつけ、引き抜かれると同時に大量の愛液が飛沫を上げた。
腰がびくんびくんと浮き上がり、足先がぴんと張る。
空っぽの隘路がなにかを欲するように痙攣し止められない。強張った身体から一気に力が抜けて、全力疾走したあとのように力が入らなくなる。
「はぁ……はぁ、ふ……っ」
シーツに身体を泳がせてぼんやりと宙を見つめていると、覆い被さってきた尊仁に唇を塞がれた。火照った身体に伝わる、彼のワイシャツの冷たさが心地良い。