「君にずっと会いたかった、ずっとずっと君を探していた」
とある事情で男性不信の紬実の元へ、海上自衛官の浬が訪れる。彼の手にあった1本のボトルメールには、海で戦死した紬実の曾祖父に宛て、曾祖母が書いた手紙が入っていた。時を超えて届いた手紙をきっかけに交流を深めるふたり。「付き合ってください。絶対に裏切らないです。俺」どこか懐かしさを感じる浬の一途な想いに、紬実も惹かれていき――。
「気持ちいいところ、一緒に探そうね」
そう言い、指を微かに動かした。ゆっくりと抽送される太い指が、私の身体の中を撫でる。
「ぅ、あ、あっ」
快楽というよりは困惑で声が漏れた。浬さんが眉を下げる。
「大丈夫?」
「っ、は、はい……っ、んんっ」
彼の指が、肉芽の裏側あたりを擦った瞬間だった。思わず声が上ずり、シーツを握りしめる。甘くて鋭くて、なのに重い、不思議な悦楽。
「ここ?」
浬さんはじっと私を見つめながら、同じところをグチュッと擦り上げる。
「あっ」
「よかった、気持ちいいところあったね?」
浬さんが頬を上げつつ、ナカの濡れた肉をぐぃ……っと指で優しく押し上げた。
「あんっ」
「はは、気持ちよさそう。嬉しい」
浬さんの指の動きがほんのちょっと、速くなる。同じところを執拗に擦りながら、親指の腹で肉芽を潰した。
「っあ、だめっ」
私は目を見開き、ギュッと眉を寄せながら首を振る。
「だめ、そこ、一緒にしちゃっ……」
「ほんと? すごく気持ちよさそうだし、もう少しやってみよ?」
浬さんが子供を諭すみたいな口調で私の顔を覗き込む。それで指が当たる角度が変わって、私はまたあえなく声を上げた。
「ああっ」
「わ、すご。手のひらまで溢れてきてる」
嬉しげに浬さんは笑い、一度指を抜き私に手のひらを見せる。
「ね、ほら」
豆のある彼の大きな手のひらは、私から溢れた液体で濡れていた。
そんなに私、感じているの。
頬にさらに熱が集まっていくのを感じた。耳まで熱い。
「や、だあ……」
「なんで、可愛いよ?」
あやすような口調で言いながら、浬さんは私のナカに指を差し挿れる。指を増やし、三本目が入ったとき、あられもない淫らな水音が部屋に響いて、ひどく淫靡だった。
「はー……指、ふやけそう」
浬さんが呟き、指をバラバラに動かす。
「ああっ、あんっ、あんっ」
「ほんっと可愛い声上げてさ、理性ぶち壊しにきてる?」
「し、してな……ぁあっ!」
肉芽をグチュッと潰されて、私はまた絶頂を味わわされる。なのにナカの指が止まってくれなくて、気持ちいいところをまた擦り上げられたら、肉芽とは違う、深い絶頂に身体が跳ねた。
「ぁ、あ……」
ビクビクと腰が上がり、身体が震える。その私の脚の間に彼がまた顔を沈め、今度はナカに舌を挿れ込む。
「やだあっ、ナカ、舐めちゃ嫌あっ」
抵抗しているはずなのに、自分でもめちゃくちゃ甘えた気持ちいい声だって思う。実際、とても気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。恥ずかしくてたまらないのに、与えられる快楽に抗えない。ジュルジュルと、わざとみたいに音を立てて舐め上げられ、吸い付かれる。
「ぁ、あ──……」
勝手に顎が上がり、背が反った。下腹部がグズグズと熟し、切ない。痛いくらいに熱を孕んで……慰めてほしくて、気がつけば自分から脚を大きく開き、彼を受け入れようとしている。
「何それ、えっろ、かわい……」
浬さんは低く呟き、また指と舌を動かし始める。そうしてこれがイくってこと、と何回もそれらで教え込まれる。
もう何度絶頂したか分からない。
クラクラする頭で、がくっと力を抜き天井を見つめる。肌が汗でしっとりと湿り、はあはあと浅い呼吸を繰り返し目を閉じた。
「紬実。俺の、挿れても大丈夫?」
浬さんの声に目を開くと、彼はじっと私を見下ろしている。頷けば、彼はベッドのヘッドボードに手を伸ばし、置いてあったパッケージを開く。避妊具だ。それをつけようとして、彼は「あー」と呟く。
「ダメだこれ、小さい」
小さい……?
多分だけど、こういうところにあるのはMサイズなんだろう。浬さんのはそれより大きいってこと?
浬さんは少し考えてから「あっ」と手を叩きベッドを降りた。ポーッとする思考で何気なく彼を目線で追うと、彼は部屋の隅にある透明の箱のボタンを押している。
「自販機だよ」
振り向いた彼は黒い箱を持っていた。
「おもちゃとかも売ってた」
ベッドに乗りながら報告され、目を瞬く。
「おもちゃ……?」
「大人の。使ってみたい?」
ニヤッと笑われ、慌てて首を振る。彼はケタケタと笑いながら、パッケージを破り自らに装着する。
「あ、これ多分ちょうどいい」
チラッと箱を見れば、Lと書かれていた。入るのかなあと一瞬不安になるけれど、つけたあと「ふー」と低く息を吐く彼を見ると受け入れたいと強く思う。
だってきっと、かなり我慢してくれてる。私が痛くないようにって、浬さん自身が気持ちよくなることよりも、私を慣れさせることと快楽を与えることに注力してくれて……。
気がつけば、彼に向かって手を伸ばしていた。
「紬実?」
「浬さん。来て」
お願い、と呟く。
浬さんはくっきりとした喉仏を上下させ、私の膝裏を持ち上げる。
「……痛かったら、すぐ言ってな?」
「ん」
頷いて微笑む。彼は目を瞠り、それからぎこちなく笑った。
こんな彼の微笑みは初めて。
だっていつも、どこか余裕と余白のある、軽妙な笑みを浮かべていたから。
今の彼に余裕なんてちっともない。それが不思議なくらいに嬉しかった。それだけ私を求めてくれてるってことだから。
クチュ、と彼の先端が入り口に触れる。さんざん解されたそこは、肉張った彼の切っ先を嬉しげに頬張った。それでも、引き攣るような痛みがある。
彼の大きな手のひらが私の汗ばんだ額から頬を撫でた。
「紬実」
「浬さん」
私は彼の手に頬を寄せ、ニコッと笑う。彼はグッと唇を引き結び、私の頭の横に手を置き、ゆっくりと奥へ屹立を進める。
「っあ、あ」
身体を拓かれていく痛みと感覚。みっちりと彼のものに吸い付くナカが、みちみちと広げられていく。鈍い痛みがズンと下腹部に響く……のに、それすらどこか甘くて。
「あ、浬さんっ、んっ」
唇が重なる。そのまま強く抱きしめられ、ググッ……と彼の硬い熱が奥まで埋まる。ナカの鈍い痛みと、入り口が引き攣れ切れた鋭い痛み。みっちりと彼のもので私のナカは充溢して、彼でいっぱい。
痛い。でもそれ以上に、幸せだ。
……泣きそうなくらい。
「紬実」
唇を離した浬さんが私を見つめ、キュッと眉を寄せた。その額は汗ばみ、優しい垂れ気味の目が、微かに潤んでいる。
「浬さん……?」
「俺、君をずっと探してたんだ」
私は小さく息を呑む。
「本当だよ」
「……私も」
狂おしいほど、心臓が痛い。
「私も探してた」
きっと、ずっと、ずっと前から、あなただけを探してた。
浬さんがグッと低く息を呑む。
とたんに、貪るようなキスをされる。口の中をぐちゃぐちゃにされながら、彼がゆっくりと腰を動かしだしたのを感じる。ナカの肉が喜んでいる。一番奥が切なく疼いた。早く慰めてって甘えるみたいに。
痛いはずなのに、なんでこんなに私の身体は淫らなんだろう? ……ううん、違う。彼が欲しくて、彼をもっと感じたくて。きっとそれだけだ。
「っ、紬実」
彼は唇を重ね合わせたまま私を呼び、腰を動かす。そのたびに彼のものでズルズルと私の淫らな肉が擦り上げられ、初めてのはずの私は快楽を拾い、いちいち声を上げる。浬さんは満足そうに低く笑い、けれどそれ以上激しくは動かない。
気を遣われているのが分かる。大切にされているのだと、彼の動きひとつひとつからまざまざと伝わってくる。
「痛くない? 紬実」
「痛くない、よ」
「本当に?」
「ほんとに、っ、あんっ」
「好きだよ、紬実」
「私も、はあっ、大好き……っ」
額を重ね、ピントが合わない視界の中で、ふたりで言葉を紡ぎ合う。
ゆっくりと彼が腰を動かすたび、私のナカを硬い熱が移動していく。ズルズルって、私の肉を引っかいて。そのたびに私のナカの蕩けた肉が彼に吸い付き、キュンと波打つ。
彼の指が私の頭を撫でる。髪の毛を梳くみたいにして、それから髪をかき上げ頭皮を指で優しく擦って、耳をくすぐって、額にキスを落として。
それを繰り返すうちに、徐々に痛みや違和感が引いていき、代わりにジワリと甘い熱が増していく。
「うぁ、っ、んっ」
少し強くナカを抉られて、膝下が跳ねた。
「ここ、好きなの?」
浬さんが私の顔を覗き込む。揶揄うふうでもニヤつくふうでもなかった。ただ、とても嬉しそうだった。
彼は手をついて上半身を起こし、私の腰を大きな手のひらで掴む。
「この辺?」
グチュッという聞くに堪えないほど滑りを帯びた淫らな水音と共に、彼が私のナカで長大な屹立を動かす。ズルリとそれは動き、肉張った先端がさっきの、感じてしまった箇所を突き上げる。
「ああっ」
「よかった。気持ちよさそう」
浬さんは腰を同じペースで動かしつつ続けた。
「俺だけ気持ちよかったらどうしようって思ってたから」
「か、……いり、さんっ、気持ちいい、の?」
「気持ちいいよ」
そう答え、「はー」と低く深く彼は息を吐く。
「気持ちよすぎて、俺の溶けそうだもん」
そう言って、少しだけ深く腰を突き立ててくる。スピードは速くないのに、グッと最奥を抉られて私は声も出せずに唇をわななかせ、シーツを握りしめる。
「っ、あ……っ」
「奥、どろどろで気持ちいい」
どろどろ……が、どういう状態なのかは分からない。私の身体のことなのに。ただ、一番奥をぐりぐりと抉らんばかりに突き上げられ、それがものすごく気持ちよくて、ギュッとナカがうねり、入り口が窄まる。浬さんのを咥え込んでグチュグチュ音を立てているナカが、ヒクヒクと痙攣しだしていた。
波が打ちよせるみたいに、何か大きな何かが、やってきそうで。
「浬さん、っ」
怖くなって彼を呼ぶと、すぐに手を握ってくれた。そのまま私を大きな身体でキュッと抱きしめてくれる。汗ばんだ滑らかな肌の感覚に、彼と触れ合っているのだと今さらながらに自覚して、幸福が波のように押し寄せてくる。
「紬実」
優しい声で彼は私を呼ぶ。でも私の最奥を抉る動きは変わらなくて──優しい動きなのに、そこから湧き上がる快楽はあまりに大きくて、まるで暴力みたいに容赦ない。
「あっ、なにか、また、来ちゃうの」
私は必死で訴える。
「壊れちゃうぅ……っ」
浬さんは微かに息を呑み、それから私の頭に頬を寄せ、「大丈夫」と少し掠れた声で言った。
「大丈夫」
そう繰り返され、私は彼にしがみつき返しながら、はあはあと浅い呼吸を繰り返す。下腹部が熱くて、切なくて、彼の肉らしい先端が当たるだけで頭の中が白くなるくらい気持ちがいい。
「かい、りさんっ、きもちぃ、壊れる、ぅっ」
「ん。気持ちいいね、可愛い、紬実」
低くて優しい大好きな声。
なのに、彼の動きが速くなっている。それどころか。
「ゃ……っ、おっきく、なってるぅ……っ」
明らかに、彼のものが太さを増している。
「ん、ごめんね。俺もイきそう……ちょっとだけ、ごめん」
彼はそう言って私を抱きかかえなおし、抽送を速めた。彼のものがナカをズルズル擦って動くたび、グチュグチュと聞くに堪えない淫らな水音が散り、お互いの腰がぶつかる音がする。
「あ、ああっ、あっ、あんっ」
もう何も言葉にならない。子宮がわななき、彼を咥え込んだ肉襞が蠕動し、淫らな肉がキューッとうねり、彼のものを締めつけた。
頭の中で線香花火が弾けたみたい。
さっき肉芽を弄られたときにも感じた絶頂の、何倍も深い悦楽が、波のように寄せては返す。
ビリビリした快楽に顎を反らすと、そこに浬さんが甘く噛みつき、腰だけを激しく振りたくる。
「あ、あっ、あんっ」
必死で首を振る。だって、だって私、イってるのに、頭がぐちゃぐちゃになっちゃってるのに、浬さんがやめてくれない。肉襞を引っかいて彼のものがナカを擦り、最奥を抉る。プチュッと何か溢れる音がする──あ、もう、むり、壊れる。