「好きだ。絶対に離さない」
一人暮らしに憧れて家を出た看護師の舞香は、片思い中の整形外科医・一柳啓の隣人に。彼とは大学生の頃から旧知の仲。病棟では冷たいオーラを放つ彼だが、何故か舞香には優しい。今の関係を壊すのが怖くて告白できなかった彼女に一柳は優しく距離を詰めてくる。「君は唯一、一緒にいたいと思える女性だ」さらに、過保護に拍車がかかる一柳に甘く翻弄され!?
「舞香、好きだ」
「……っ!」
掠れた声で告げられた言葉は、想像よりもずっと舞香の胸の深い場所に響いた気がした。でも、これまで想いを閉じ込めていた舞香にとって、それは夢みたいで、思わず想いと反対の言葉がついて出る。
「……そんな、うそでしょう?」
「嘘でも冗談でもない。僕の気持ちに本当に気がついていなかった? 舞香だけは、ずっと特別扱いしていただろう?」
「啓さん……」
一柳に特別扱いされていることはわかっていた。でも、それが彼の愛情を伝える術だったなんて、知らなかった……。
―――なんて不器用な人なの?
舞香の胸に、彼に対する愛情が込み上げて胸がいっぱいになる。何も考えられず、ただ喜びだけが舞香を包み、彼のウエストに両手を伸ばしてギュッと力を込めた。
「啓さん……私も好き! ずっと好きだったの」
思いっきり甘えるように身体を預けると、一柳の含み笑いが聞こえる。強く抱きしめられ足が宙に浮く。キッチンシンクの横、ワークトップの上にお尻が乗せられ、互いの視線が絡んだ。
「舞香……」
重ねられた唇は熱く湿り、舞香を甘く溶かしていく。彼の舌が口腔を突き、ねっとりと粘膜を撫でていく。舞香の舌は絡めとられ強く吸われ、速く浅い呼吸が奪われていく。
喉奥から呻きのような声を漏らすと、角度を変えてさらに口付けは深くなる。
―――ずっと彼のキスを待っていた気がする。本当はずっと、彼にこうして愛されたいと願っていた。
彼にだけは自分の気持ちを解放していいのだと、舞香は今ようやく気がついた。
「啓さん……好きぃ……」
くぐもった声で囁けば、強く抱きしめられ、身体が密着する。全身が熱い。全てを脱ぎ捨てて彼と肌を合わせたい。
キスで繋がりながら、舞香はもどかしい思いに身をよじる。唇を離し、額を合わせたまま、一柳が濡れた眼差しで舞香を射る。
「……舞香をもらってもいいか?」
そう尋ねられ、舞香は目で合図をした。
―――私を攫って。
あなたと、いつまでも一緒にいたい。だから、私を攫ってほしい。
舞香は横抱きにされ彼の部屋に運ばれる。鍵を開けるときにもたついて、舞香はスリッパのままでポーチに立った。そのまま舞香の部屋で愛し合ってもよかったのに、ここまで抱いてきた自分に一柳は苦笑する。
鍵が開き、二人は手を繋ぎ彼の寝室に真っ直ぐに向かう。舞香は今まで立ち入ったことのない寝室のベッドに腰をかけた。
一柳は薄手のジャケットを素早く脱ぎながら、弾んだ声で舞香に話しかける。
「太古の昔から男って変わらないと思わないか? 好きな女を自分の巣に攫っていくなんて」
―――そういうところが好き。
舞香は微笑み、自らも着ていたカットソーを頭から脱いだ。下着だけの姿になり、一柳を見つめる。
「啓さん、抱いてください」
「……舞香」
その言葉が合図になり、一柳はカットソーやスラックスを急いで脱ぎ捨てると舞香の身体を覆いつくす。
スカートを脱ぎかけていた舞香が、小さく声を上げ彼を受け止めた。
彼の裸体は、想像よりもずっと筋肉質で美しい。首筋や鎖骨に男性的な色香を感じ、舞香の胸がドキドキと大きな鼓動を立ててときめく。
透明感のある滑らかな肌の、上腕に浮かぶ血管のすじに触れてみたくて舞香は手を伸ばした。
「啓さん、綺麗……」
舞香の言葉に、一柳は照れて笑みを浮かべるけれど、その瞳は真剣な光を放ち舞香にのしかかってくる。すぐさま激しいキスで唇を奪い、下着を剥ぎ取る。
男性との行為は初めてだけれど、一柳が相手なら怖くはない。逆に、期待と興奮で頭がおかしくなりそう。
乳房に触れられる感覚を舞香は唇を噛んで味わう。熱い彼の手が肌を滑り、舞香の身体に初めての快感が刻まれていく。
「あっ……」
乳房の先端を軽く撫でられ思わず喘ぐ。
緩やかな愛撫を与えられ、先端は徐々に尖り色を重ねていく。まだ触れられてもいなかったもう片方の先端が、ザラリとした舌に舐められ口にふくまれ、未知の快感に震える。
「あぁっ……ああ……ん」
こんなに気持ちいいこと、今まで知らなかった。
もっと、もっといっぱい触ってほしい。舞香は乳房に吸い付く彼の髪の毛に指を入れ、くしゃくしゃと好き勝手に乱していく。
じゅっ、じゅっと、音を立てて吸う彼の頭を抱きしめ、彼の下半身に自らの脚を絡ませる。もっと、もっとくっつきたい。身体が溶けてバターになってしまうくらいに。
自分にこんな強い感情が隠れていたなんて知らなかった。舞香は彼に絡みつき、疼く局所を擦り付ける。
「私、どうしちゃったんだろう? 身体が震えて、なんか熱くて……啓さんが好きすぎて、おかしくなりそう」
「僕も同じだよ。舞香が好きすぎて、おかしくなりそうだ」
寝室の薄い光源が彼の目に反射する。いつもよりも濃い色の瞳に釘付けにされ、荒々しいキスで塞がれる。
彼の舌がねっとりと粘膜を這い、舞香の舌先を捉え絡みついてくる。繊細で微かな喜悦に、背がゾクゾクと震え、快感が全身に広がっていく。
唇で繋がりながら、彼の手で乳房がふんわりと包まれる。張りのある乳房は、長い指に揉まれ形を変えていく。指先で先端がおもちゃのように転がされ、ときおり強く摘まれると、ビクン! と腰が震え、喘ぎ声が漏れる。
「ぁあっ……」
両の乳房をギュッと強く掴まれ、情熱のままに揉みしだかれ、先端は赤く腫れ上がっていく。ウエストから肋骨にかけ、まるで骨格をなぞるように彼の力強い掌が忙しなく這いまわり、乳房を持ち上げ先端が音を立てて激しく吸い上げられる。
「あっ、あぁんッ! あ、あぁっ……、やぁ!」
荒々しい彼の動きにこちらも興奮してきて、大きな喘ぎ声を上げてしまう。
動物のように荒々しく触れられるのも嫌じゃない。
彼の激しい愛撫に、舞香のお腹の奥底が甘い期待に疼き、脚の間から止めどなく蜜が滴り落ちていく。彼の胴に脚を絡ませ濡れた秘肉を彼の下腹部に擦り付ける。
大きな手が舞香のお腹を撫で、脚の間に滑り込む。一柳が上気した顔で問いかけた。
「舞香、激しくするの好き?」
「ん。ちょっと興奮しちゃった……でも、初めてだから、あの……」
「わかっているから、大丈夫」
「うん……」
熱い指が秘裂を擦り、ジュクジュクと淫音が響く。その強烈な刺激に舞香は首をのけぞらせて喘ぐ。
「あっ……そこぉ、気持ちいい……っ」
愛液が滴りお尻の下まで濡れてくる。さらに滑りがよくなった指に淫芽をグッと押されると、めまいがしそうなほどの喜悦に思わず声が漏れる。
「ひぁッ!」
指は秘肉を割り中へと入っていく。狭い蜜壺は愛液で溢れかえり、欲情した舞香の甘い香りがあたりを満たす。
彼の指は秘襞を擦り上げながら、まだ狭い中を奥へと進む。
「んっ……」
「痛い?」
「大丈夫。ねえ、もっと……して」
この先に痛みが待っていることはわかっている。舞香は早くそれを通り過ぎて、彼を中に感じたかった。
「了解」
舞香にチュッと軽くキスをして、首筋にねっとりと舌を這わす。
「あっ、ぅん……っ」
首筋に吸い付きながら、秘肉を押し広げ抜き差しを繰り返す。次第に舞香の肌には汗が滲み、甘い吐息が漏れる。
舞香はもう、彼が欲しくてたまらないけれど、まだ挿れてはくれない。
「まだだよ」
そう舞香に告げた彼は、身を屈めて舞香の脚の間に顔を埋める。
「や、啓さん、何を……っ?」
いきなり淫芽が舌で突かれ腰が跳ねる。
「あっ、ぃやぁん!」
腰を掴まれ動きを封じられたままで、尖りがしゃぶられ強烈な刺激を覚える。やがてそれが快感に変わっていき、舞香はシーツを握りしめて顎をのけぞらせる。
「うぅ……っ、ぅ、あぁッ!」
その間、蜜壺を指が激しく抽送し、愛液がジュクジュクと掻き出されていく。濃厚な快感に秘襞が蠢き、中の指をキツく締めつける。
彼の指の関節が花芽を強く押したその瞬間……。
「あっ、あっ、ぁあッ! ぁひ……ッ、あ、やぁ……ッ!」
ぶわっ……と、熱い塊がお腹の奥で爆発するような感覚を覚え、舞香は一気に達した。
「んっ……」
ぐったりする舞香の頬を撫で、一柳は囁く。
「舞香、挿れるよ」
まぶたを開いた舞香は、気だるい両腕を宙に向け、彼の腕に縋りつく。
爆発しそうに張り詰めた屹立を蜜口に当てがい、一柳は徐々に腰をすすめる。眉を顰め快感に耐えながら、少しでも舞香の苦痛を少なくしようとゆっくりと入っていく。
「ぅ、んっ、んっ、ぅふ……っ」
瞼を閉じていた舞香が目を見開き、切なそうな表情に変わる。
押し広げられる圧迫感や痛みはあるけれど、膣中を擦られる感覚に甘さが混じる。もっと触れて欲しくて、彼の手を取り自らの乳房に押し当てる。
「啓さん、もっと……ぉ」
触ってとは言えず、潤んだ眼差しを向けると、舞香の痛みにばかり意識が向いていた一柳がハッとする。
「あぁ……ごめん」
笑いながら舞香にキスを落とし、乳房を撫でる。先端を口に含み強く吸い上げながら、腰をグイッと押し込まれる。
「んぁあッ!」
引き裂かれるような痛みに、思わず呻き声を上げる。さらに突かれ、中が彼でいっぱいになると、腰を強く押し付けられ身体が前後に揺れる。
ジンジンとした痛みを感じるのに、彼のキスは甘く優しくて脳がバグりそう。舌を絡ませあいながら強く吸われ、繋がったままきつく抱きしめられる。
「んんっ、んっ、んっ、んん……」
唾液さえも甘い、終わりないキスは続き、舞香の脳髄が溶けていくよう。抱きしめた腕が解かれ、彼が腰を動かし始める。
「ああ……舞香、動くよ」
滾りに柔襞を擦り上げられると、痛みは感じるものの、繋がった嬉しさが勝り、舞香の胸はいっぱいになる。唇が繋がったまま穿たれ、彼の腕にしがみ付く。
「舞香……」
彼が一瞬動きを止め、目を閉じて快感に浸る姿が愛おしく、お腹の奥が甘く疼く。
腰を引き、ゆっくりと穿たれる。そんな動作を繰り返されているうちに、舞香はいつしか艶かしい声を上げていた。
「ぁあっ! あぁ……ん、あっ、あぁっ、あぁ……っ、やぁっ」
片膝を掴まれ、腰を突き上げられる。奥深くを穿たれ、さらに剛直を押し込まれれば、舞香が小さく悲鳴のような声を上げる。
「ひぃ……ッ!」
「大丈夫?」
「ん……っ、いぃ……ッ、気持ちいいのぉ……」
その言葉に、さらに彼の動きが速くなり、何度も中を抉るように穿たれ剛直に柔襞が絡みつく。
海原の小舟のように身体を揺らされながらも、舞香は陶然とした表情で艶かしい声を上げる。
「あっ、そこ……ぉ、んっ、んっ、んんぅ……、啓さん……好きぃ、キスして……」
避妊具のゴムが裂けそうなほど、何度も抽送を繰り返し、グチュグチュといやらしい音を響かせて、動物のように交わる。
身体中の粘膜を擦りあわせ、肌を重ねあい、二人は闇の中に溶けていく。
舞香は、このまま永遠に繋がっていたいと願いながら、彼の唇を受け止める。
子宮口に届くほどに最奥を激しく突かれ、衝撃を奥深くに感じる。そのままゴリゴリと剛直を押し込まれ、舞香は一気に高みに押し上げられる。