一途で策士な極上御曹司×再会して前向きになった彼女
上司の罠で取引先の男に襲われかけた陽花は、初恋の幼馴染み・龍我に救われる。11年ぶりに再会した彼が巨大グループの御曹司だったことに驚き、蘇る失恋の痛みに逃げ出す陽花。しかし会社のトラブルで龍我に仕事の協力を求めることになって!? 「俺はいつだって、お前に一途だった」失恋は誤解だったとわかると、過去を取り戻すように溺愛が始まり――。
余裕なく飛び込んだのは、再開発が続いている元職人街地域において、曲線状の輪郭を持つ建物が目を惹く外資系ホテルだ。この地域には巨大な複合施設が建設中だが、それと隣接する場所にある。
フロントで手続きを済ませた龍我は、陽花の手を引いて誰もいないエレベーターに乗り込むと、彼女を両手できつく抱き締め、濃厚なキスをした。
陽花が欲しくてたまらない、愛し合いたい――その激情をストレートに受けて、陽花もまた龍我に自分も同じ気持ちでいることを伝える。
目的の階に到着したがキスが止まらない。
龍我は閉まりかけたエレベーターのドアを、長い足を伸ばして阻んでいたが、何度も開閉するドアにため息をこぼして、唇を離した。
「……部屋に行くか」
龍我は剥き出しの陽花の肩に唇をあて、甘噛みした。
欲情に揺れるその目は、まるで捕食者のようにぎらつき、彼が男であることを告げている。
ぞくりとするのは恐怖ではない。
陽花の女としての細胞が、彼に屠られることに悦びを感じたからだ。
陽光が差し込む明るい部屋に入ると、龍我は陽花をベッドに押し倒した。
そして覆い被さるようにして、再び唇を重ね、舌が痺れるほどのねっとりとした深いキスを繰り返した。ここが密室だからなのか、龍我の舌は獰猛で大胆に動き、陽花を翻弄する。
「ん……っ」
甘い声を漏らすと、優しく頭を撫でられ、そして彼は片手で上衣を脱ぎ捨てた。
思わず触りたくなるような筋肉がついた胸板が露わになった。
(そういえば……結構筋トレしていたっけ、スポーツ万能だったし)
あの雨の日、初めて見た小柄な彼の身体も、すでに男の筋肉がついて驚いたが、今の彼はあの時以上の大人のもので色香を纏っている。
「そんな見るなって。減るだろ」
ほのかに目元を赤く染めた彼からは、減るどころか増えている。破壊的なフェロモンが。
「鼻血……噴きそう」
「お前が言うなって。それ……俺のセリフ」
そう笑いながら、龍我は陽花の服を脱がせた。
黒い下着姿になり、恥ずかしくて身をくねらせる陽花を、龍我は熱い目で見つめてくる。
「見ないで……減る」
「減らねぇよ。あの時より……悩ましい女の身体になりやがって」
どこか悔しげに龍我は言う。
「こんなの……優しくできるはずねぇって。お前、俺を理性が壊れたケダモノにさせたいのか?」
「龍我が望むなら……」
「そこは嫌だと、毅然として突っぱねろよ。煽るなよ、ふざけんな」
そう言うと、陽花を抱き締めた。
触れ合う肌の心地よさに、思わず感嘆の吐息をこぼす。
「雨が降っていたあの日、がっつきそうになる自分を抑えて、こうやって……お前をただ抱き締めればよかった。そうすれば、心がすれ違わずに済んだのに」
欲しかったのは快楽ではない。相手からの愛だった。
「お前を思いやればよかった。今ですら……こんなに震えているのに。あの日のお前が、どんな状態だったかなんて気づく余裕がなかった」
「震えてないよ」
「嘘つけ」
「その……武者震い?」
「お前は武士か」
「拙者をお頼み申す」
「……色々と違うから、それ」
そんな冗談を交わすうち、身体からの震撼が止まった。
それを感じ取ったのか、龍我の手がおもむろに動き、下着の背中にあるホックを外した。
ぱちりと音がして、急に締め付けがなくなる。
「……っ」
「見せて、ありのままのお前。俺が好きでたまらないお前の……今の身体」
ベッドに押しつけられ、龍我が少し身体を離して上から視線を注ぐ。
羞恥に肌を赤く染めた、嫋やかな陽花の身体が彼の瞳に暴かれる。
龍我は目を細め、上擦った声を出す。
「綺麗だ……」
「お世辞は……」
「本気に思ってる。綺麗で……たまらない」
ゆっくりと身体を倒した龍我が、陽花の首筋に唇を寄せた。
身を捩らせた陽花の柔らかな肌を、彼の舌と手が滑り落ちる。
龍我の大きな手のひらが、陽花の胸の膨らみを包み込み、熱い舌が胸の谷間をなぞる。
「あぁ……」
はしたない声が出てきて顔を赤らめると、流し目のような視線を送ってくる龍我がうっとりとした顔で笑い、そして陽花の胸の頂に吸いついた。
「あ、ぁあっ、や、そこ……っ」
龍我に吸われていると思っただけで、昂る身体は感度を増した。
さらに彼は反対の胸を揉みしだく。
強く弱く……大きな手の中で胸は卑猥に形を変えた。
「こんなに俺に反応して……ああ、可愛いな……本当」
感極まったような呟いた龍我が、両手で胸を揉み込み、尖ってきた蕾を両手の指で捏ねる。
「やっ、龍我……だめ、変になる……っ」
甘い痺れに酔いしれて、陽花が悶える。
下腹部の奥が熱くて、秘処がじんじんと疼く。
それを誤魔化すように、陽花は自ら足を動かして龍我の足に絡ませた。
「たまらないな、お前……」
龍我の舌がくねり、蕾を押し潰すように卑猥に動いては、ちろちろと蕾を揺らす。
そしてじゅるじゅると大きく吸い立てた。
まるで赤子のように貪られる胸。
身体に走る甘い痺れに、声が止まらない。
愛撫に応えるように龍我の頭を撫でていた陽花の手が、彼の背中を這った。指先が感じる彼の背はどこまでもしなやかで、陽花が持ち得ない硬さを持った男のものだった。
その事実を確認しただけでも、くらくらする。
やがて身体をもっと下にずらした龍我が、舌を這わせた陽花の足を左右に開いた。
それと同時に、ショーツが抜き取られる。
「な、なに……」
「あの時しなかったこと、してやる」
足の間に大きな身体を割り込ませた龍我は、ゆっくりと顔を埋めていく。
「だめ、そこ汚……」
「お前に汚いところなんてねぇよ。ああ、もう……たまんねぇ……」
陶酔しきったようにつぶやくと、疼きがとまらない秘処に唇を寄せた。
龍我の唇の熱と感触が一点集中し、そこの感度が上がってくる。
今だけでもう一杯一杯なのに、あろうことか龍我はその部分を吸い立てたのだ。
「ああ、だめっ、それだめ!」
陽花は龍我の頭を押しのけようとするが、逆にその手に指を絡めて握られる。
「ああ、いやらしいな。お前の蜜……吸っても吸っても溢れてくる」
「そんなところで……そんなこと言わないで!」
「ちゃんと覚えておけよ。俺がお前をどう愛しているのか。子どもにはできなかったことを」
龍我は震える花弁を舌で割り、花園を濡らす淫猥な蜜を舌で掻き集める。
ぱしゃぱしゃと聞こえる水音が、恥ずかしくてたまらない。
そして彼は集めた蜜を吸い、美味しそうに嚥下してみせるのだ。
まるで至上の甘露を味わっているかのように。
「いやらしい、龍我……いやらしすぎるよ……!」
「いやか、こういう俺。嫌いになった?」
「……っ、そんなはずない。意地悪! 馬鹿!」
龍我は愛おしげに目を細め、一心不乱に秘処を攻め立てた。
ぞくぞくとした快感は大きくなり、切羽詰まったかのような輪郭を持つ。
こんなところを舐められて、気持ちいいだなんて言えない。
淫乱だと思われたくない。
意地なのか理性なのか、よくわからない感情に葛藤する。
「陽花……素直になれ。いやらしいお前を見たい」
そう言うと龍我は、頭を大きく左右に振りながら口淫を激しくさせた。
堰き止めていたものが勢いを増すのは一瞬だった。
「ああ、ああっ、なにか……なにか来る!」
快感の波が一気に押し寄せ、陽花は悲鳴を上げた。
その瞬間、龍我は離れるのではなく逆に蜜を啜り立てた。
羞恥と快感に、声にならない声を上げた陽花は、身体を震わせながら果てた。
息を整えていると、顔を上げた龍我が蜜で濡れた己の唇を舌で舐め取る。
「イク時まで可愛いなんて……お前、やりすぎだから」
そうやって無駄にドキドキさせて煽らないでほしい。
「……もっとお前を愛でたかったんだが、限界」
龍我がカチャカチャとベルトを外した。
チャックが下がるのか心配になるほど、彼自身が興奮していた。
龍我はポケットから、銀色の包みを取り出す。
(避妊具があんなところから……?)
「ホテルに寄る前に入ったコンビニで買ったものだ。いつも持ち歩いてねぇよ」
「び、びっくりした……」
「学生の頃は、財布に入れておくのが男のお守りで嗜みだと、頼んでもねぇのに仲間内で配って分け合ったりして。自分で買うというのはハードルが高かったんだけど」
あの雨の日、彼が財布を取り出して避妊具を出したのは、そんな意味があったのか。
「大人になると責任感が芽生えて、好きな女を抱くためには必要だと自発的に買えるもんだな」
「……っ」
「なんて、なに言ってるんだか。ふぅ、さすがに緊張するな。あの日以来だから」
あの日以来ということは……それから彼は誰も抱いていないということだ。
このスペックで信じられないことだが、今は……恋人の言うことを信じたい。
(わたしと一緒に、緊張……してるんだ。余裕っぽかったのに)
ひとりではない。一緒なのだ。
それが陽花の中から不安と緊張をとった。
「……陽花。抱きたいと思う女は、昔も今もこれからも……お前だけだ」
準備ができた龍我はそう告げると、陽花を仰向けに押し倒して、彼女の足を開いた。
そして屹立した熱く太いものを陽花の秘処に押しつけ、ゆっくりと往復させて蜜をまとう。
今まで彼に口づけられていた敏感なそこに、今度は力強い龍我自身が触れていると思うと、余韻だけを残して去った快感がまた蠢き出す。
「陽花……」
龍我は、うっとりとした気分になった陽花を見つめ、そして微笑んだ。
「愛してる」
それを合図に、彼の剛直が蜜口よりゆっくりと押し込まれた。
「ん……」
狭い道を押し開くようにして、質量ある異物が侵入してくる。
中が捲り上がっていく感覚に、ぞくぞくとした戦慄みたいな興奮を感じた。
「痛く……ないか?」
苦しげに上擦った声。
龍我の方こそ痛そうに聞こえる。
「大丈夫だけど……あなたは……」
「俺……? 俺は……」
気だるげな顔で、悩ましげな吐息をして続けた。
「最高すぎて、頭がへんになりそう」
「……っ」
「ずっと……好きでたまらなかった女を抱けて、蕩けそうなくらい歓迎してもらえて……もうこれだけでもやばい。身体もそうだけど……お前への想いが暴走しそう」
力なく彼は笑う。
「お前がいない世界は……もうこりごりだ」
そう呟くと、龍我はぐっと自分自身を押し込んだ。
痺れるような快感の漣を生んでいた深層に、龍我は辿り着く。
「これで……俺とお前の距離も……会えなかった時間も……ゼロだ」
どれくらい、自分は龍我に好かれていたのだろう。
どうしてなにも感じなかったのだろう。
いつだって自分のことで手一杯で、誰かのせい、なにかのせいにして自分を守ってきた。
ああ、今……なにかが変わったのではない。
すでに自分がいた世界はこんなに愛に溢れていたことに気づいただけだ。
「……ありがとう、龍我。わたしを……好きになってくれて」
陽花は龍我の首に両手を回し、彼の唇に自ら唇を押しつけた。
「大好き」
伝え方がわからない。
彼と出会い、ずっと想い続けてくれたことに……感謝と愛を。
「ずっとずっと……あなたが好き」