磨かれてイケメンになった天才エンジニア社長×磨いた有能アパレル営業OL
アパレル営業職の可南子は、弟の依頼で見た目がモサいIT会社社長・東雲の髪や衣服を整えることに。彼が驚くほどのイケメンになったことで重要なプレゼンも大成功する。お礼の食事に誘われた夜、成り行きで二人は一夜を共にしてしまう。「こんなんじゃあなたを可愛がり足りないよ」熱く求婚され結婚を前提に同棲するも、可南子に急な海外への転勤話が舞い込み!?
「しっかし姉ちゃんも思い切ったよな……」
隣にいた弘輝がぼそりと呟いたので、可南子は弟の顔を見た。
「いや、俺は心のどっかでそうなればいいなあと思ってたよ? 二人を見ていたら何となく? でもこんなに速攻だとは思ってなかったからさあ」
「まあ、確かに。今まで住んでたマンションの更新が迫ってたのもあるかな。あそこ、一人で住むには広すぎたし」
生島と一緒に住むと決めた時に入居した部屋だった。別れてから一人暮らしには広すぎるから、引越さねばと思いながら、忙しさに紛れていたら更新時期が目前になってしまっていた。渡りに船と言ってしまうのは調子がよすぎるだろうか。
「にしたって、姉ちゃん、もっと慎重派ってーか手堅い方だったろ?」
可南子は弘輝の疑問を自分に問いかけながら、篠崎たちと会社のものを運び出している東雲の方に目を向けた。大丈夫。悔いはない。
「自分でも随分振り切ってるなあと思うけど、律とならそれもありかなって」
「まあ、うん、姉ちゃんがそれでよければ俺はいいんだけど。あ、でも平澤が言ってたように会社のやつらには余計な詮索やお節介はさせないから」
「ありがと」
珍しい弟の気遣いに、素直にお礼を言う。弘輝もなんだかんだと副社長という立場を続けて、それなりに成長しているのが頼もしかった。
物があまりなかった上に更に片付けてさっぱりした部屋に、引越し業者が可南子の荷物を運びこんで大体の作業は終わった。弘輝や篠崎たちも作業を終えると部屋からいなくなる。
デリバリーで夕食を取り、順番にシャワーを浴びてルームウェアに着替えた。
可南子が持ち込んだ二人用のソファに並んで座り、テレビのニュースを流しながら缶ビールを空ける。
「可南子さんの荷物が入ると、本当に新しい部屋みたいだ」
東雲が面白そうに言った。
「大丈夫? 趣味に合わないものとかない?」
可南子の持ち込んだ食器棚やダイニングテーブルといった家具類は、シンプルでナチュラルテイストのものが多いが、それでも東雲からしたら自分のテリトリーが模様替えされたわけだから少し気になった。
「それは全然。ただ……」
東雲はソファの上で長い脚を組みながら、背もたれにゆったりもたれて可南子を見つめる。
「ん?」
「寝室が別なのはちょっと残念」
「もう! それは散々話し合ったでしょ?」
朝が早いことが多い可南子と、夜遅くまで仕事をしていることが多い東雲は時間帯が合わないことも多くなる。可南子が先住者である八柳の部屋を使うこともあって、互いの睡眠を邪魔しないように寝室も別だった。もっとも一緒に寝る時は東雲の部屋を使うことになる。身長が高い東雲の方が大きいサイズのベッドを使っているからだ。
「しばらくそれで試して、それでも一緒の寝室がいいってなったら……ベッドをくっつけるか大きなベッドを買い直しましょ?」
「うん……」
前のマンションで使っていたのは、生島と一緒に寝れるダブルベッドだった。生島が出て行った後も、広々と寝られるそのベッドは気に入っていたのだが、さすがにそのベッドを東雲と使うのは違う気がして、他の不要な家電類と一緒に処分してしまった。
今、可南子の部屋にあるのはすのこタイプのシングルベッドである。
「律?」
「でも、今夜は一緒がいい」
ほんのり赤い顔で言われてキュンときた。可南子は隣の律の体にもたれかかる。
「……今日はもう疲れたからもうベッドに入る?」
まだ九時前だったが、可南子から誘った。
「入るだけ?」
東雲が聞き返した。可南子はその問いに答えず東雲の唇にキスをする。これで通じなければこの場で押し倒してやる。そう思いながら。
東雲は目を閉じて可南子の唇をゆっくり味わうと、「俺の部屋に行こ」と可南子の手を取って立ち上がった。
さして広くない東雲の部屋の、大部分を占めている大きなベッドに可南子は横たわる。そして東雲も可南子の上に覆いかぶさるように横たわった。そうして軽いキスを繰り返す。
東雲と出会ってから彼の部屋に引越すまでの一ヶ月の間、引越しの手伝いや話し合いと称して、東雲は可南子の部屋に何度か泊まりに来ていた。その間にも東雲のセックススキルはどんどん上がった。
東雲は自分の行為に対する可南子の反応を冷静に観察し、分析し、確実に弱い部分を見つけだしてせめてくる。いつの間にか最初の頃のたどたどしさが消え、よもやそれまで未経験だったというのが嘘みたいに可南子の体を次々と攻略し続けた。もっともあの手慣れない感じのたどたどしさも、可南子は決して嫌いではなかったのだが。
甘いキスを繰り返し、体のあちこちに唇を這わせ、舌で舐めて愛撫する。ゆったりした動きに、可南子の体は少しずつ溶け、ほんのりと体温が上昇していく。
折々に目を覗き込まれ、表情を窺われているのを知ると、恥ずかしさと嬉しさでいっぱいになってしまう。
「今日は疲れてるだろうから、全部俺に任せて」
色っぽい笑みを浮かべて東雲が言った。
「だって、疲れてるのは律も一緒なのに……んっ」
首筋を舐められてゾクゾクする。
「いいんだ。したいんだ。生まれたての赤ん坊みたいに可南子さんを甘やかしてみたい」
そう囁きながら耳朶を食んで、耳孔に舌を入れられた。
「や、くすぐったい……っ」
「可南子さんの気持がいい場所に集中して――」
耳元で甘い言葉を囁きながら、東雲は可南子が着ていたルームウェアのシャツの裾から大きな手を忍ばせる。シャツの中でナイトブラがずり上げられ、大きな手が可南子の胸を包み込んだ。顔のあちこちにキスを落としながら、両手で胸をやわやわと愛撫する。
「気持ちいい?」
分かり切ったことを聞かれ、恥ずかしさに躊躇していると、もう一度重ねて訊かれた。
「よくない? やめたほうがいい?」
「や、やめないで……っ」
意地悪な問いに、つい素直に答えてしまう。
「ん、良かった……」
東雲は安心したような声を出すと、そのまま人差し指と親指で先端を捏ね始めた。
「ん、ん……っ」
弄られる乳首からじんわりと快感が生まれていく。
「すごく敏感になってるね。ほら、固く尖ってるの、分かる?」
「うん……」
東雲の言う通り、可南子の胸は東雲の愛撫に反応し、痛いほど尖っていた。
「きっと真っ赤になっていて可愛いんだろうな。ねえ、食べてもいい?」
東雲の声は麻薬のように可南子の思考を溶かしてしまう。
「いいよ、食べて――」
可南子が許可を与えると、東雲はシャツと下着を可南子の顎の下まで一気に引き上げた。
ふるん、と柔らかい双丘が東雲の目の前に晒される。東雲は既に何度も見ている筈なのに、まるで初めて見たような感激の表情を浮かべると、そっと顔を近づけて可南子の紅く染まった固い乳首をしゃぶり始めた。
「あ、ああぁ、ぁん……あぁああぁあああ…………っ」
指とは違う強烈な刺激に、可南子の嬌声が止まらなくなった。
「律、律ぅ……っ!」
舌っ足らずな声で東雲の名前を呼ぶ。
「気持ちいい? 可南子さん、すごく乱れてる――」
「気持ちいい……こんなの、すぐイっちゃう……っ」
「いいよ、イっちゃって」
東雲は嬉しそうな声を上げると、可南子の乳首を強く吸い上げながらもう片方の乳首を指で押し潰した。
「ひゃん……っ!」
一気に高まり、背中が浮いて腰の辺りが跳ねる。
「……イっちゃった?」
東雲に目尻の涙を拭いながら訊かれ、可南子は小さく頷いてしまう。引越しが終わって二人きりになってから、ずっとこの時を待っていたのかもしれない。いやらしい自分が恥ずかしい。
「可愛い。感じてる可南子さん、最高に綺麗。大好き」
蠱惑的な低い声で言われて、両手を伸ばし彼の背中に手を回して抱擁をねだる。東雲は心得ていて可南子の体をぎゅっと抱きしめると、舌を絡め合う濃厚なキスをした。
裸の胸が彼の胸に押しつぶされ、しばらく舌と唾液が絡み合うぴちゃぴちゃといやらしい水音が続く。
「――どうする? 疲れてるなら今日はここまでにしておく?」
東雲の声に、可南子は不満げな顔になった。
「バカ、律の意地悪」
「だって可南子さん、明日も仕事で早いんでしょ?」
「そうだけど……」
東雲の目が妖しく光った。いつの間にこんな扇情的な表情ができるようになったんだろう。
「もっとしたい?」
「うん」
これで終わりにされたら生殺しもいいところである。
東雲は今度は子供のような無邪気な笑顔で「じゃあ、するね」と囁いた。
下に穿いていたルームウェアのズボンを脱がされる。その下に黒いレースのショーツが現れる。クロッチ部分が小さく、透けて見えるタイプのショーツだった。
東雲は興奮した目でそこを凝視した。
「こんなの持ってたんだ」
「さっき……シャワーを浴びた後、今夜はするかなって思って……」
「俺の為に?」
「だって……一緒に暮らす初めての夜だし……」
恥ずかしさに口籠りながら答える。
「すごく嬉しい」
東雲は本当に嬉しそうに囁いた。
「しかもこれ……、ここが開く?」
問われて頬を染めながら頷いた。ちょうどクロッチ部分の真ん中に小さなリボンがあり、そこを解くと可南子の大事な部分が丸見えになる仕様だ。
「はしたない女だって引かない?」
恐る恐る聞くと、東雲は大きく首を横に振った。
「すごく嬉しい。ねえ、ここ開けていい?」
「うん」
可南子の許可を取って、東雲はそっと小さなリボンを解く。開いた場所からは、可南子のいやらしい陰部が丸見えになっているはずだ。
「ヤバい、すっごくエロい……」
東雲は感嘆の声を上げると、開いた部分に顔を近づけて舌を這わせ始めた。
「あ、律、あぁあん……っ!」
表面を舐められているだけなのに、可南子の秘部の奥からはどんどん蜜が溢れ出してきてしまう。
「ねえ、ここもうこんなにトロトロになってる。しかも真っ赤に熟れててすごくおいしい」
東雲は両腕で可南子の太腿を抱え込むと、今度は舌を尖らせて蜜に濡れた花弁の間を激しく舐め始めた。
「あんっ、はあ、ぁあんっ、そんなに深く舐めたら、あ、律ぅ……っ」
あまりの気持ち良さに可南子の体が蕩けだす。
「可愛い、可南子さんのここ、めちゃめちゃエロくて可愛い……」
甘く囁きながら、今度は尖らせた舌が上部の包皮に隠れた小さな淫粒を探り出す。
「ほら、まだ恥ずかしがって隠れてたけど、ここもこんなに膨らんで固くなってるよ。分かる?」
東雲の唇が可南子の固くなったクリトリスをきゅっと吸った。
「はぁあん……っ!」
あまりの気持ち良さに可南子の腰がびくびくと跳ねてしまう。
「イっちゃったね。可南子さん、可愛い」
東雲は身を起こしながら更に可南子の足を大きく広げた。
「ほら、ここもこんなにびしょびしょになって内側がピクピクしてる」
言いながら東雲の指が蜜口に差し込まれた。
「あ――ん」
差し込まれた指が蜜洞をぐちゃぐちゃと掻き混ぜ、溢れる蜜がいやらしい水音を立てる。
「分かる? 可南子さんのナカ、俺の指をすっごい締め付けてきてる」
「あ、だって、そんな風にされたら……おかしくなっちゃう」
「気持ちいい?」
更に指を増やし、激しく動かしながら東雲は訊いてきた。
「いい、イイよ……気持ちいいの……」
「またイっちゃいそう?」
「……ん」
恥ずかしさに堪えながら可南子は頷いた。
「じゃあ、もう一回イって――」